研究課題/領域番号 |
25670973
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
江藤 宏美 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学系), 教授 (10213555)
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研究分担者 |
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 乳児 / 妊婦 / フェリチン / 睡眠時周期性四肢運動 / RLS / 鉄 / 葉酸 / 周産期アウトカム |
研究実績の概要 |
本研究は、以下の2点を目的としている。1. これまでに解明されていない妊婦のレストレスレッグス症候群(RLS)について、生理学的データ(血液学的データ・末梢身体活動量)と主観的データによるスクリーニングを行い、その頻度を把握する。2. RLSのある妊婦について妊娠中から産褥まで縦断的フォローアップを行い、母児への影響(睡眠、胎児の発育等、周産期の母児アウトカム)について関連性を記述する。本年度は初年度に引き続き、上記の目的にそって1)2)を実施した。 1) 妊娠後期のレストレスレッグス症候群の発生頻度・血液生化学データ・夜間の下肢の活動量を調べた。 初年度からの研究協力施設に依頼し、ローリスクの妊婦(妊娠30週前後)におけるRLSのスクリーニングを実施した。インタビュによるTDI、質問紙は日本語版single RLSスクリーニング質問紙、重症度として日本語版IRLSver2.2、生活の質としてRLS-QOLを使用した。血液生化学データの測定では、妊娠末期健康診査時の採血時に血清フェリチン・血清鉄・ヘモグロビン・葉酸を同時に採取し、検体は検査会社にて測定した。下肢活動量測定ではアクチグラフを使用し、分析についてはソフト開発中である。研究の対象はリクルート対象者141名中、140名から研究協力の承諾を得た。RLSスクリーニングでは、本研究では日本語版TDIからRLS陽性・陰性の2群に分けて判定を行い、11名が陽性、11名が偽陽性と判定された(有病率15.7%)。RLS陽性群、陰性群において、年齢、血清フェリチン値、血清鉄値、Hb値・葉酸値との間に有意差はみられなかった。 2) レストレスレッグス症候群と周産期アウトカムの関連を把握した。 先にリクルートした研究協力者の周産期アウトカム、新生児のアプガー等について、いずれもRLS群と非RLS群の両群間に有意な差は認めなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期的にミーティングを開催し、進捗状況や分析方法の確認、発表、論文投稿の計画を話し合っているため。
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今後の研究の推進方策 |
新たに睡眠研究者に加わってもらい、毎月定期的にRLSミーティングを行い、進捗状況の確認や研究発表に向けた準備を行う。 次年度の研究費の使用計画については、本年度と同様に、[旅費]として、調査交通費、学会参加の費用をあてる。[謝金]として、研究補助謝金、研究協力者への謝金、[その他]として、血液検査料、英語論文校閲費を計上している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度中(2015年2月)に、データ収集をしている病院施設の検査部で血液生化学検査(葉酸、フェリチン、血清鉄)を行うための試薬の購入や人件費として231,832円の見積を受けていた。しかし、同病院内で発生したカルバペネム耐性菌により検査部が対応しなければならなくなり、検査は次年度に持ち越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
2月日程を延期し、2015年4月に血液生化学検査結果を出す予定であり、試薬の購入や人件費として使用予定である。
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