研究課題/領域番号 |
25670976
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
永瀬 つや子 宮崎大学, 医学部, 講師 (10336480)
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研究分担者 |
水畑 喜代子 宮崎大学, 医学部, 講師 (40346242)
兵頭 慶子 宮崎大学, 医学部, 教授 (50228756)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 緊急避妊診療 / ノルレボ錠 / ヤッペ法 / 指導 |
研究実績の概要 |
A県内の緊急避妊診療の現状を明らかにするために、1次医療施設の産婦人科43施設を対象に緊急避妊診療の診療の現状について質問紙調査を実施した。対象43施設中21施設(回収率48.8%)から回答を得た。21施設とも緊急避妊診療を行っていた。平均診療件数24.9(δ:±21.6)件、最少4件、最多84件であり、全国平均より少ない件数であった。使用している緊急避妊薬は、ノルレボ錠とヤッペ法の両方は2施設、ノルレボ錠のみ10施設、ヤッペ法のみ9施設であった。2011年にヤッペ法より副作用が少なく、避妊効果の高いノルレボ錠が正式な緊急避妊薬と承認されたが、A県においては、緊急避妊薬は以前より緊急避妊薬として使用されていたヤッペ法のみを処方する施設、ノルレボ錠のみを処方する施設と別れている現状が明らかになった。緊急避妊診療時の平均指導時間は、11.0(σ:±5.9)分であった。緊急避妊薬提供時の指導は、8割の施設で指導時間が10分以上で、同時に効果の高い避妊法を勧めており、指導時間と内容は全国と同レベルであった。緊急避妊薬の提供時に約7割の施設で看護職が関わっていた。避妊の失敗等の時に緊急避妊薬について指導する時には、ヤッペ法とノルレボ錠についての説明が必要であることが明らかになった。 タイ国で使用されている緊急避妊薬はノルレボ錠(1錠 0.75 mg)が一般的であった。その内服方法は、多くの国で指導している72時間以内に1回に2錠内服する方法ではなく、1錠内服し、その後12時間後に1錠内服する方法が一般的であった。薬剤は薬局で処方箋なく購入できた。しかし、内服時の指導は、購入者が求めない限り薬局では実施していない現状であった。タイ国では、緊急避妊薬を使用する時に、対象に対して今後の避妊指導などできない現状であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
大学生を対象とした緊急避妊薬についての研究はタイの研究者と質問内容の合意に手間取り、調査開始が遅れた。 緊急避妊薬を使用した女性の研究では、A県ではヤッペ法しか処方しない医療施設もあることから、質問紙の内容の修正が必要となり調査開始が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
大学生対象の研究は、プレテストを開始し、質問紙の妥当性を検証してから倫理申請を行い、研究を実施する。タイ国での研究はタイ国研究者が実施に向けて準備が進んでいる。 緊急避妊薬を使用した女性の研究は質問紙の最終修正を行い、研究開始に向けて手続きを進めて行く。研究内容については産婦人科医会に説明済みで研究実施の承認は得ている。
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次年度使用額が生じた理由 |
大学生対象の研究については、共同研究を行うタイ国研究者との質問紙調整のため、研究が進行しなかった。 緊急避妊薬を使用した女性の研究については、緊急避妊診療の研究結果より、研究対象者が使用する薬剤の内服方法に違いがあったため、当初作成していた質問内容では不適切であったため修正するのに時間を要したため研究が進行しなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
質問紙配布、回収、データ入力のための人件費、研究協力者への謝金として45万、論文の投稿時の英語翻訳に20万、交通費20万、残りを返信用切手などを含めたその他として使用予定である。
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