研究課題
切迫早産と診断された外来通院中の妊婦を対象に、妊娠22週以降37週までの妊婦健康診査ごとに早産を予防するために妊婦に提供した母性看護専門看護師による支援と妊婦の反応を記述し、妊婦の反応をOremのセルフケア不足理論の10の力(パワー)構成要素に基づき分析した。なお、本研究は兵庫県立大学看護学部地域ケア開発研究所研究倫理委員会の承認を得て行った(平成26年度教員1)。研究協力者は13名であり、10名は妊娠37週まで看護ケアを提供した。看護ケア提供後に切迫早産の症状が悪化した妊婦はいなかった。妊婦3名は入院により妊娠37週以前に看護ケア提供を終了したが、入院理由は切迫早産症状の悪化によるものではなかった。本研究に協力した妊婦が早産予防のためにおこなったセルフケアを分析した結果、3パターンに分類できた。パターン1に該当する妊婦は4名であり、10の力(パワー)構成要素全てを活用していた。このパターンの妊婦は、今回の妊娠・出産をどのようにしたいという明確な動機づけをもち(パワー5)、用心する力(パワー1)を用いながら、目標に向かって先を見越し(パワー9)、一貫したセルフケア行動を取っていた(パワー10)。パターン2の8名の妊婦は、切迫早産の説明や対処方法の説明を受けて、用心する力(パワー1)を用いていたが、一時的で、今回の妊娠・出産をどのようにしたいという明確な動機づけ(パワー5)や先を見越す力(パワー9)が不足していた。パターン3の1名の妊婦は、看護支援開始当初は、今回の妊娠・出産をどうしたいという明確な動機づけがなく(パワー5の不足)、パターン2の妊婦と同様の行動をとっていたが、看護支援により、今回の妊娠出産はどうしたいという明確な動機づけをもち(パワー5)、先を見越す力(パワー9)や用心する力(パワー1)など10の力(パワー)構成要素全て活用して早産を予防することができた。
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