研究課題/領域番号 |
25670980
|
研究種目 |
挑戦的萌芽研究
|
研究機関 | 愛媛県立医療技術大学 |
研究代表者 |
森 久美子 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (60468949)
|
研究分担者 |
高田 律美 愛媛県立医療技術大学, 保健科学部, 助教 (20515803)
岡 靖哲 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (60419025)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 胎動 |
研究概要 |
1)モニタリング手法・機材の選定: 途上国での周産期医療の現状を踏まえ、携帯性が高い、電気が安定して供給できないことからAC電源(コンセント)を必要としない、専門家が不足しているため専門知識が乏しいスタッフでも判断できる、妊婦自身が操作ができる、という利点から、胎動シグナル(FMAM胎動計)を手法として選定することとし,機材を購入した。 2)現地での動作確認・使用環境の精査: 対象国は研究代表者が活動経験があり、最近では一昨年に医療施設を訪問しているザンビア共和国とし準備を進めた。ザンビア共和国大使館と打合せを行い、研究目的、研究内容や機器の説明を行い、現地で起こりうる問題について協議した。胎動シグナル(FMAM胎動計)を現地で使用するに当たり、機材パネルの表記法や電源の確保の問題など、現地調査までに解決すべき課題が明らかとなり、変更可能な部分のカスタマイズを行っている。また、現地での周産期医療対体制の現状を精査するためには、訪問時に保健省、ザンビア大学医学部附属病院、診療所のスタッフとの協議が必須であるが、ザンビア大使館より現地での活動について協力が得られた。現地の協力者を得ることが容易になり、持続可能なシステム作りに有効であると考えている。 3)国内妊婦を対象とした有用性の検証: 機材に運用上の問題点の検証、ならびにザンビア共和国の妊婦との比較群として、正常な経過で、なおかつセルフケアが高い妊婦が多い助産院を国内での研究協力施設として選択し、施設代表者の承認を得て検討を実施している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
胎動シグナル(FMAM胎動計)機材の選定にあたり、機器の機能上の問題点の解決、安定的な入手可能性の検証に時間を要し、機材の購入が当初より遅れた。ただし、その間にザンビア共和国大使館との交渉を行うことができ、現地の保健省など公的機関ルートを活用することが可能となったことは、今後の活動を現地の医療者と進めていく上で大きい。 胎動シグナル(FMAM胎動計)機材を購入後は、次年度に予定していた国内での検証作業を前倒しで進めており、妊婦からのより丁寧に情報収集手法を確立するため、小規模の助産院も研究協力施設とし、一般的にセルフケア能力が高い助産院を利用する妊婦との対比から、途上国の妊婦に対してどのように胎動シグナル(FMAM胎動計)を使用することが有効であるかの知見を得ている。
|
今後の研究の推進方策 |
ザンビア共和国での胎動シグナル(FMAM胎動計)の動作確認・使用環境の精査については、当初計画より詳細な現地調査として、今年度実施する。保健省の協力を得て、母子に対する医療環境調査に関しては最新のデータが収集できると考えている。現地で実際に胎児シグナル(FMAM胎動計)を運用するに当たっては、当初は直接現地診療所に依頼する計画であったが、現地の3次病院であるザンビア大学病院を通じて現地での研究協力者を決定することとした。そのため、実際に運用する研究協力施設もより広範に確保できる予定である。今回の訪問で、現地での体制についての今後の指針を確立することができれば、研究者の現地訪問が年に1回程度と限られたとしても、研究継続が可能になると考える。胎動シグナル(FMAM胎動計)に関しては、国内妊婦を対象とした有用性の検証、国内妊婦との比較検討により有用性を確認した上で、現地での動作確認と使用環境の精査結果とあわせ、現地対応の機器にカスタマイズを行う。研究者が訪問できない期間も、現地研究協力者がいつでも使用できるように、故障の際の修理対応、必要部材の現地調達などメンテナンス方法についても検討していく。
|
次年度の研究費の使用計画 |
胎動シグナル(FMAM胎動計)の選定と購入を慎重に行ったこと、ザンビア共和国の現地調査について、在外公館との交渉や現地び保健省との連携が行えることがより本研究の円滑な遂行の上で重要と考え、現地調査を2年目に変更し、国内での機材評価を先行して実施した。そのため、現地調査旅費とFMAM胎動計使用に際して必要となる備品代が次年度使用額となった。 今年度8月に、胎動シグナル(FMAM胎動計)や電源関連機材等を持参のうえ、ザンビア共和国にて現地調査を行う。このための旅費と胎動シグナル(FMAM胎動計)使用に際して必要となる備品代に使用する計画である。
|