研究課題/領域番号 |
25670981
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
戈木クレイグヒル 滋子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (10161845)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 小児集中治療室(PICU) / 看護師 / 医療者 / 両親 / ストレス / コミュニケーション / 米国 |
研究実績の概要 |
本研究は,1)日米英の小児集中治療室(PICU)での医療者と両親のコミュニケーションとストレスの状況をインタビュー法を用いて明らかにし, 2)参加観察法を用いて,米国と英国での介入方法を把握した上で,3)日米英のインタビューの比較結果を基に,米英の介入方法を日本にどう修正して導入するのかを検討するというものである。 H26度は看護師5名,両親19名のインタビューをおこない,H25分とあわせ看護師20名,両親21名のデータが収集できた。その分析結果を基に,両親が大変な状況に一歩ずつ適応する過程と,医療者は悪い情報をどのように提供しようとするのかに関して3本の学会発表をおこなった。これらは,PICUの特徴があらわれている興味深い現象だと考えている。 もともとの計画では,H26度に英国での介入方法を把握する予定であったが,英国の研究協力者のつごうで難しくなったため,米国のPICUにおける看護介入の状況を把握する方に専念したいと考えている。日米で収集したデータ分析結果の比較は,スカイプを用いて月に1回のペースでおこなっている。 最終年にあたるH27度は,今後収集するデータの分析も踏まえて,すでに把握した現象をさらに深く検討したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究協力施設を確保することができたので,昨年不十分であった両親からのデータ収集が順調となり,分析も進んでいる。また,米国との分析結果の比較は毎月1回,定期的に行っている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年にあたるH27度は,今後収集するデータの分析も踏まえて,すでに把握した現象を深く検討しつつ,日米英間の分析結果の比較をおこない,観察した看護介入の検討も含めて発表したいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
日本にはまだPICUの数が少ないため,本研究において,研究協力施設を得ることは最重要課題である。今回依頼できた施設でデータ収集をおこなうためには,当該施設の研究生になる必要があり,そのために研究生費が生じた。くわえて,この施設が研究者の所属機関から遠隔地にあるため,交通費・宿泊費が計画以上に必要となった。そのため次年度研究費を前倒しで使用させていただき,結果的に最終年度の研究費が少ない状況となった。
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次年度使用額の使用計画 |
データ収集のために研究生費用と交通費・宿泊費が発生するが,この中で削減できるものは宿泊費と日当だけであるため,今年同様,実費支給とする。また,テープ起こし謝金も大きいので,経費オーバーの場合には自分でおこなうなど工夫する。
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