研究実績の概要 |
超早産(在胎28週未満)で超・極低出生体重児(出生体重1,500g未満)の皮膚は未熟で防御機構は不十分である。したがって皮膚トラブルの発生リスクは高く、皮膚トラブルの状況によっては生命の危険にさらされる恐れがある。しかし日本では超早産で超・極低出生体重児のスキンケアに関する報告はほとんどなく、皮膚トラブルを最小限にするスキンケアの標準化が必要である。 スキンケアの標準化に先立ち、皮膚トラブルを起こしていると考えられる要因を検索する必要があり、その方法として患児の栄養状態も含めた全身状態、人的要因、環境要因を可能な限り観察調査をしている。 平成25・26・27年度に引き続き、超早産で超・極低出生体重児を対象に縦断的な調査を実施した。週数があまり変わらない患児が10人以上となった場合、横断的な比較検討をしようと考えていたが、その症例数に至らなかった。しかしその中でも症例数が比較的揃っている週数が在胎26週の超早産で超低出生体重児だったため、その患児に関して皮膚トラブルの関連要因を検討した。 在胎26週の超早産で超低出生体重児は5例あり、5児とも生後2週目頃から皮膚乾燥がみられたが、1ヶ月頃には改善した。これは皮膚が未熟であるために不感蒸泄が多いことによる影響と考えられる。その他に皮膚トラブルの要因は全身状態を管理するために使用したテープ類をはがす際の外的要因や下肢を屈曲していることが多い新生児の特徴によるものが挙げられた。これらの発表は第32回日本静脈経腸栄養学会にてポスター報告した。
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