高齢者人口の増加に伴い、要介護度の高い介護施設の利用者数が年々増加している。また介護度の高い利用者が増加する中、介護現場ではいかにして安全で安楽な介護技術を提供するかが重要な課題である。その解決にはケアスタッフの介護技術力の向上と共に介助機器の活用も選択肢の1つであり、スタッフと利用者双方にとって利便性の高い介助機器の開発が必要である。これまでの研究で特別養護老人ホームのケアスタッフは、食事介助に困難感を持っていることを明らかにした。特別養護老人ホームや家庭などの居住場所は、病院の検査室ではなく生活空間であるので、本人だけでなく第3者からの見た目にも配慮を必要とする。そこで本研究では、安心で効率的な食事介助を実現するために、要介護高齢者が食事時に必ず使用するエプロンに着目し、エプロンに内蔵できるセンサを開発した。これを用いれば、エプロンを着用するだけで飲み込みを検出するセンサの装着が完了する。本研究では被介護者にセンサ装着を意識させず、飲み込みを検出するセンサ技術開発に挑戦し、高齢者でのみ込みの時の顕著な信号を検出することに成功した。また、のみ込み検出に関する開発した技術を特許出願した。
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