研究課題/領域番号 |
25670995
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
竹山 ゆみ子 宮崎大学, 医学部, 講師 (90369075)
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研究分担者 |
川野 光一 宮崎大学, 医学部, 研究員 (20649537)
奥 祥子 宮崎大学, 医学部, 教授 (40284921)
甲斐 由紀子 宮崎大学, 医学部, 教授 (70621803)
井川 加織 宮崎大学, 医学部, 助教 (90423722)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高齢者 / 栄養状態評価 |
研究実績の概要 |
本研究は、高齢者の早期栄養状態改善の実現可能性について検証することを目的としている。研究対象者は、介護老人保健施設に入所している65歳以上の高齢者で、経口摂取のみで栄養補給している入所者で、意思疎通が可能であり、施設での前回採血時のアルブミン値が2.5~4.0g/dlの入所者で、認知症自立度判定基準M以外の者とした。 データ収集項目は、血液検査値(TP、Alb.、Tcho、Hb、TTR)身体計測値(AC・AMC・CC)、三大栄養素摂取量とした。45名のうち、欠損値のある3名は分析対象者から除外した。対象者42名の平均年齢は、86.6歳であり、男性4名・女性38名であった。日常生活自立度は、A1(6名)・A2(6名)・B1(16名)・B2(11名)・C1(3名)であった。要介護度は、要介護1(10名)・要介護2(8名)・要介護3(13名)・要介護4(7名)・要介護5(4名)であった。三大栄養素摂取量はほとんど全ての対象者が全量摂取であった。血液検査値は、TPは42名が正常値であった。Alb.は4.0g/dl以上が9名、3.5g/dl以上4.0g/dl未満が21名、3.5g/dl未満が12名であった。TTRは22.0mg/dl以上が19名、22.0mg/dl未満が23名であった。Alb.が正常値を示す対象者とTTRが正常値を示す対象者は必ずしも一致しなかった。舌圧は、測定値にバラつきが見られた。CCは、ネスレのMNAにてカットオフ値とされている31cm以上の対象者は13名であったが、そのうち軽度の浮腫等がみられた対象者は8名であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、施設での採血日にあわせて、追加項目として採血1項目を追加し、同日に身体計測・舌圧測定・舌色撮影を実施している。通常、介護老人保健施設での血液検査は、義務付けがないため、各施設の費用負担で実施されている。健康管理上、必要な対象者に実施していることに加え、年に1~2回と回数が限定されており、さらに、在宅復帰施設であるため、研究協力同意後に急遽、退所が決定してしまう状況が発生したこと、認知機能の点から研究協力への同意が得にくいこと等の理由により対象者が限定される。限定された中で、45名の対象者のデータ収集(うち3名は除外)が実施できていることは意味があると考える。 しかし、データ収集後の解析途中に、解析ソフトの不具合から作業途中ファイルが全て消失してしまったことにより、データ解析に時間を要している現状がある。現在、消失した作業途中ファイルを再作成し、画像データを数値に変換する作業を実施中である。今後は、血液検査値等の関連等を検討する予定であり、血液検査値と舌色との関連を検討予定である。 以上のことから、現在までの達成状況は、やや遅れていると考える。
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今後の研究の推進方策 |
消失した作業途中ファイルを再作成し、画像データを数値データに変換する作業を実施する。数値データ作成後、血液データと画像数値データとの関連を検討し、栄養状態評価指標としての有用性を検証する。画像数値データと身体計測値およびCCとの関連を検証する。Alb.は4.0g/dl以上、3.5g/dl以上4.0g/dl未満、3.5g/dl未満で分類する。TTRは22.0mg/dl以上と22.0mg/dl未満で分類する。CCは31cm以上と31cm未満で分類する。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成27年度は、学会発表と論文投稿予定であったが、使用ソフトの不具合から作業途中ファイルが消失したため解析が行えず、実施できなかった。また、使用ソフトの不具合の原因が不明であったため、ソフト等の再購入の必要も含めた経費使用を保留していた。さらに、解析が実施できなかったため、資料整理等のための人件費使用も控えていた。そのため、経費を平成28年度に繰り越すこととした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、旅費・参加費として日本看護科学学会(東京)での学会発表と日本摂食嚥下リハビリテーション学会(新潟)への参加を計画している。また、論文投稿も2件予定しており、解析のための物品購入や資料整理等の人件費として使用予定である。
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