本研究は、高齢者施設入所中の経口摂取可能な高齢者の舌色撮影と舌圧測定を行い、身体計測・生化学検査値・食事摂取量による舌色カラーチャートの栄養状態評価スケールを作成し、舌の栄養評価指標としての有用性を検討する。対象者の属性は、平均年齢86.6歳、男性4名女性38名であった。舌の色配置は、Alb.3.5g/dl以上、TTRが正常値は明度が高く、Alb.3.0g/dl未満、TTR正常値以下の者は明度が低い傾向があった。また舌の明度と血液検査値で一部相関が見られた(<0.05)。この結果から、舌の明度と血液検査値には関連があることが示唆されたが、栄養評価スケールの作成・検証を行うまでには至らなかった。
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