認知症高齢者を介護する家族が介護に対するポジティブな感情を抱く経験が、仕事と介護とを両立させていく上での重要な要因となっている可能性が伺えた。特に、介護者が介護を始める以前から現在に至るまで変わらずに一貫してその人らしくあり続けられているという実感と、さらに、介護に関する様々なストレスがあっても、それを乗り越えているという克服体験としての実感が得られているということが、離職をはじめとする様々な介護上の課題に対し、ポジティブに向かう重要な要因であることが示された。これらの視点がどのようなサポートとして具体的に企業や地域において実現可能であるのかを明らかにしていくことが今後の課題である。
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