本研究は、精神科看護師を対象として、看護師の倫理的感受性と倫理的推論能力を高める継続教育プログラムと、倫理的組織風土を醸成するためのプログラムを組み合わせた、看護倫理教育プログラムの開発を目指したものである。その結果、組織改革を目指したエンハンスメントアプローチを取り入れた精神科看護倫理教育プログラムでは、看護師個々の内省が深まらず、病棟の倫理的風土も醸成されなかった。一方、ケアの倫理に基づいた倫理的感受性、看護倫理観の育成に加えて、看護師個々がケアの倫理を実践できる風土を醸成する方法を習得することを目指したプログラムでは、看護師の倫理的問題の解決への意欲が高まったことが確認された。
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