介護家族の4分の1は配偶者である。配偶者は子供に負担をかけたくない気持ちから一人で抱え込みがちで、自らの老いや病気に向き合いながら介護にあたるため、“現在の困難”に意識を収斂させ、介護の限界を語ることも多い。そこで、認知症の人とその配偶者を対象としたカップルライフストーリープロジェクトを実施することによって、夫婦の関係性や介護者のうつ状態、介護困難感を軽減することができると考えた。1回1時間のセッションを4-5回実施し、その前後に変化を調べたところ、夫婦の関係性に変化は認められなかったが、介護者のうつ状態と介護困難感は有意に改善し、ライフストーリープロジェクトの効果が示唆された。
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