研究課題/領域番号 |
25671013
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥野 ひろみ 信州大学, 学術研究院保健学系, 教授 (60305498)
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研究分担者 |
山崎 明美 信州大学, 学術研究院保健学系, 講師 (60299881)
高橋 宏子 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (80195859)
五十嵐 久人 信州大学, 学術研究院保健学系, 准教授 (90381079)
石田 史織 信州大学, 学術研究院保健学系, 助教 (20710065)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ケースメソッド / グループワーク / 課題解決能力 / 思考プロセス |
研究実績の概要 |
開発したケースメソッド(以下CM)を教育に取り入れ、学生の効果を測定した。 1.時期 2014年4月~2015年2月 2.対象者2013年12月~2014年1月の期間に看護系大学の地域看護担当教員に依頼文を送付し、これに賛同した5校の学生130名(回収126名96.9%)に実施した。学生は保健師コース選択制の3年生(4校)と短期大学の専攻科(1校)の学生であった。3:CMの方法 CMの基本を①個別・家族ケアの展開、②個別・家族ケアから集団・地域への展開の広がり、③地域ケアの展開とし、90分授業6コマの内容とした。この基本形に④事前の知識を収集する4コマ、最後に⑤健康学習会を企画する2コマ、中間・最終報告会3コマとし最長15コマのプログラムとした。各学校が4の組み合わせから1つを選択し実施した。CMのテーマは母子・成人保健であった。学生グループに分かれて1つのテーマにそって検討を行い、報告会で情報交換を行なった。①~⑤のプログラムは順を追って行ない、1つが終るたびに次のプログラムを学生に提示した。④を授業内に実施しない学校では学生に事前に資料を配布し内容を確認してから①に取り組んだ。4:分析方法 実施後に方法の①~⑤に示すプログラムの目標に対しての評価等を、また実施前後で、自己効力感、課題解決能力について自記式質問紙で行なった。成果物は、各学校より送付してもらい内容を確認した。 5.結果 目標の評価は、全体で「できた」「まあできた」と回答した割合は①個別・家族ケアの展開90.5%、②個別・家族ケアから集団・地域への展開の広がり88.9%、③地域ケアの展開で89.7%であった。公衆衛生看護の問題解決の思考プロセスを身につけたは86.4%となった。また、各学校の成果物は、設定した基準を満たしていた。これらの結果から総合して、CMの基礎教育への活用は効果があると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現行のプログラムは紙面を用いて実施しているが、汎用性を高めるために平成26年度にPC上のプログラムの開発を予定した。しかしそれにいたっていない。これは、現在開発し活用しているCM母子保健と、成人保健の2種類に加え、精神保健及び高齢者保健についても開発し、4種類のプログラムを掲載予定としていた。この2種類のCMの開発の遅延がある。 加えて平成26年度の結果から、事前の基礎知識の習得では、自分の担当した分野に関しては身についたと回答する学生が94.6%あったのに対し、他が担当した分野に関しては担当したグループからプレゼンテーションによる情報提供があったにもかかわらず、69.1%しか知識が身についたと回答しておらず、この差をどう埋めるかを検討したため、PC上のプログラム開発が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度同様、他大学への継続的な研究協力を呼びかけており、平成27年度は7校で実施する。 平成26年度及び27年度の調査を統合して分析を行い、CMの公衆衛生看護基礎教育への導入の効果を測定する。 また、平成26年度の結果から見えてきた、他者が担当した分野に関する基礎知識の習得の向上を図る方法を検討し、PCプログラム開発に導入する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ケースメソッドのPCプログラム開発を平成26年度より実施予定であったが、平成27年度に実施することとなったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度使用額と平成27年度請求額をあわせ、平成27年度のケースメソッドPCプログラム開発に活用する。
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