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2013 年度 実施状況報告書

高齢者虐待における虐待者と被虐待者分離後の支援プログラムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25671014
研究種目

挑戦的萌芽研究

研究機関岐阜大学

研究代表者

石原 多佳子  岐阜大学, 医学部, 教授 (00331596)

研究分担者 玉置 真理子  岐阜大学, 医学部, 助教 (00377681)
纐纈 朋弥  岐阜大学, 医学部, 准教授 (40457114)
小林 和成  岐阜大学, 医学部, 准教授 (70341815)
後閑 容子  摂南大学, 看護学部, 教授 (50258878)
表 志津子  金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード高齢者虐待 / 分離後の支援 / 介護支援専門員 / 養護者支援 / 被虐待者支援
研究概要

2市の地域包括支援センターの虐待担当職員と介護事業所の介護支援専門員を対象(3人ずつ4グループ、計12名)にグループインタビュー調査を行った。質問紙作成の前段階。「虐待者(以下、介護者)と被虐待者(以下、本人)の(予防的に)分離に至る場合、本人や家族の認識、受け止め方」、「分離による介護者と本人の身体的、社会的、心理的影響等」、「分離後の家族再統合等の実態や専門職の関わりについて現状把握」。分析途中であるため1グループのインタビュー概況を紹介する。
①本人が認知症や精神疾患、知的障害等重複している、高齢者世帯、息子と高齢者の世帯のケースが多い。生活歴が複雑であったり、長年居住していても近隣とのつながりが希薄な家族が多い。地域での見守りは個人情報の保護や民生委員の理解等多く困難を要する。本人は、虐待を受けているというよりも、介護者に迷惑をかけているとの意識から虐待があったとしても容認しており介護者の気持ちに同情的である。予防的に分離する場合は、あえて虐待を認識させていない場合が多い。なぜなら介護者にとっては分離のための施設入所は、自分の介護を否定されたと思う傾向もあるので配慮を要する。また介護者の虐待の認識は、虐待という言葉ではなく後悔の念として表現された。「悪いことをした」「一生懸命介護している気持ちが本人に伝わっていないので叱ってしまった」「入所させてしまってかわいそうなことをしたのでは(迷い)」等。
②虐待に至るケースは、共依存していることが多く、無理に離すことは両者が不安定になることもあり、むしろ離さないでサービス利用を増やし他者の目が入っていることを認識してもらうことで虐待の抑止力になるようにしている。家族から相談(電話、来所)する場合以外は分離した時点で家族や本人との関わりは終結する。
③再統合はほぼあり得ない。入所後本人不在の生活が新たに始まるので帰る場所がなくなる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

被虐待者の分離後の生活について実態のインタビュー調査は未実施である。以下のような理由である。
施設に虐待されたという経緯で入所してきた者は非常にケースが少なく、語れる職員も少ないということで実施が困難であった。また本年度の地域包括支援センター職員や事業所の介護支援専門員へのインタビュー調査から、本人は認知症や知的障害等を重複しているケースが多く、施設に慣れるまでは他の入所者も同じように不安定になるので特別に何かあるとは思えないこと、さらに施設に入所する場合よりも精神科病院に入院する場合が多いことなどのアドバイスがあった。
さらに計画では質問紙調査を実施する予定であったが、その前段階のインタビュー調査実施に時間を要し分析途中であるため質問紙作成には至らなかった。

今後の研究の推進方策

【平成26年度】25年度のインタビューを元に分離後の虐待者及び被虐待者の支援に関する質問紙の作成を行い、地域包括支援センター職員や事業所の介護支援専門員や施設職員を対象に現状把握と同時に以下の点について分析する。
①分離後の虐待者支援のアセスメント要素の抽出 ②分離後の被虐待者支援のアセスメント要素の抽出③分離後の虐待者と被虐待者支援のアセスメントシートの作成
【平成27年度】①分離後の虐待者と被虐待者支援プログラムの作成 ②分離後の虐待者及び被虐待者のそれぞれの支援モデルの構築

次年度の研究費の使用計画

25年度残額19,403円である。残額が生じた理由は、インタビュー調査が様々な理由で遅れたため、テープ起こしおよびアンケート調査に計上していた予算が一部残ったためである。テープ起こし、アンケート調査未実施分の助成金の使途については、次年度に向けて統計ソフトの購入、文献整理や調査協力者への交渉および手続き等のためにアルバイトを雇用したため人件費として使用した。
26年度分請求額1,200,000円である。25年度の残額と合わせて、インタビュー調査のテープ起こしおよびアンケート調査の郵送料や入力、集計等のアルバイト雇用、またモデル試行のための研究協力者への謝金、さらに成果発表のための旅費等に使用する予定である。

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公開日: 2015-05-28  

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