研究課題/領域番号 |
25671017
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研究種目 |
挑戦的萌芽研究
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
筒井 邦彦 香川大学, 医学部, 准教授 (50335874)
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研究分担者 |
片山 陽子 香川県立保健医療大学, 保健医療学部, 准教授 (30403778)
合田 文則 香川大学, 医学部附属病院, 准教授 (90294769)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 経胃瘻栄養 / 胃運動能評価 |
研究概要 |
平成25年度の計画は、胃瘻からの栄養剤投与時における胃運動の計測方法を樹立することであった。計画に従って携帯用体外式超音波検査機器を用い、実際の胃瘻造設患者数名において「近位胃の弛緩障害」、「胃排出能」、「前庭部収縮能」が超音波検査で測定できるかを調査した。 「近位胃の弛緩障害」については、脾臓を超音波の通過経路として胃体部の胃断面積を計測できるかどうかを調査した。しかしながら外来患者における超音波検査像とは異なり、我々の予想以上に胃瘻造設患者の多くは胃や胃以外の消化管にガスが停滞する傾向があり、胃体部の観察が難しかった。また患者の病状によっては経脾的な経路による超音波検査自体が困難であった。これらは胃瘻造設患者が臥位で過ごす時間が長いことや、原疾患の病態等が原因と考えられる。同様に前方からの胃体部観察も困難であり、「近位胃の弛緩障害」の計測は断念した。「胃排出能」においてもおそらく同様の原因により胃内に残存する空気の影響で、栄養剤投与前の胃前庭部における断面積の計測が困難であった。残る「前庭部収縮能」については液体、もしくは半固形の栄養剤いずれにおいても投与後の胃前庭部の描出が比較的容易であった。これは栄養剤自体が充填されるからである。単位時間あたりの胃前庭部の収縮回数もなんとか計測できそうであったが、胃内に残存する空気のため、胃前庭部の前後径の計測が難しい症例も少なくなかった。 これらの結果より、今回の研究においては「前庭部収縮能」を中心に計測していくこととしたが、さらに胃前庭部前後径や前庭部断面積の測定法を少し改変していく必要性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実際の入院患者において超音波検査による胃運動能の計測を始める所まで進める予定であったが、我々の当初の予想を超えて、胃瘻造設患者における消化管内の空気像が超音波検査を妨げることがわかった。従って当初の計測方法を変更する必要性が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
胃体部の観測はやめ、測定可能な計測方法として胃前庭部の収縮能を採択し、実際の胃瘻造設患者における胃運動能の評価を行っていく計画である。また測定を困難とする原因の大部分は消化管内の空気像であるが、この群を消化管運動が低下した亜群として再評価し、誤嚥性肺炎の発症リスクとの関連を調査する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
今年度の結果解析により、計測手段の変更が必要となった。今年度の旅費やその他の支出を抑制し、次年度学会や他の論文、書籍収集による情報収集のため次年度に繰り越した。 繰越額は、超音波検査による胃運動能の計測手段の情報収集のために主に使用する予定である。
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