研究課題/領域番号 |
25671020
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研究機関 | 岐阜県立看護大学 |
研究代表者 |
山田 洋子 岐阜県立看護大学, 看護学部, 准教授 (50292686)
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研究分担者 |
牛尾 裕子 兵庫県立大学, 看護学部, 准教授 (00275322)
佐藤 紀子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 教授 (80283555)
石丸 美奈(坪内美奈) 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (70326114)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 保健師の思考過程 / 個と地域との連動 / 公衆衛生看護実践モデル開発 |
研究実績の概要 |
‘個から地域へ’展開する保健師の思考過程に着目した公衆衛生看護実践モデルの開発をめざして、平成26年度は、平成25年度から引き続き、日本の保健師の優れた実践事例の収集・分析に取り組んだ。第一段階の文献調査は、日本の保健師が実践活動を報告している雑誌14年分(2000年~2013年)の記事から、地域の健康課題が明確で、個から地域へ展開する保健師の思考が読み取れる事例であり、Communityレベルの成果が明らかになっている活動を対象として、文献の記載内容から抽出した保健師の思考を、活動の対象を明確にしながら時系列に整理し、個に向かう支援の特徴、個と地域を連動させたアセスメント・評価の特徴、個と地域を連動させた活動展開の特徴を検討した。分析対象文献は24件であった。保健師は、地域診断として、個々の住民の生活実態・ニーズのアセスメントと評価、および地域の実態・ニーズのアセスメントと評価を行い、これらに関する思考を往還させていた。そして、地域診断に基づいて、個に向けた支援の検討と実施、地域のシステム化に向けた支援の検討と実施を行い、さらにこれらを連動させながら活動を展開していた。個と地域を連動させた活動展開には、支援を受ける側と提供する側双方から現状を分析し課題を検討するための方法として、連携会議と家庭訪問といった複数の手段を組み合わせて計画・実施したり、一事例への対応を基にマニュアルを作成するといった方法により後続する同様の事例への対応を標準化するなどの特徴があると考えられた。個と地域を連動させて考え活動を展開する保健師の思考過程の内容と特徴を導き出すことができた。この結果をふまえて、第二段階の保健師への面接聞き取り調査を実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
平成26年度は平成25年度に引き続き、文献調査および面接聞き取り調査により、日本の保健師の優れた実践事例を収集し、公衆衛生看護実践モデルの試案の作成を行う予定であった。しかし、文献調査の分析に時間を要したこと、モデル開発の方法とモデルのイメージを研究メンバー間で再度共通認識することに時間を要したことから、面接聞き取り調査まで進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査については、平成27年7月までに最終的な分析を終了する予定である。第一段階の分析結果をまとめ、平成27年8月に学会発表する予定である。 保健師への面接聞き取り調査は、調査対象候補者の選定、おおよその調査方法の検討は終えているため、調査方法を確定し、平成27年8~9月に実施する予定である。 これらの結果を整理してモデル試案を作成し、地域看護学教育研究者および公衆衛生看護実践者からの意見聴取を行いモデルを精錬させる。意見交換を行う予定の地域看護学教育研究者からは内諾を得ている。また、当初の予定通り、国内外の既存の理論と研究論文との照合によるモデルの理論的妥当性の検証を行う。 これらを推進するために、これまで同様に研究会議を行うとともに、随時メール会議も活用する。平成26年度末から、研究メンバーを2班に分け班体制で作業を進めているが、この体制を継続して研究計画の推進を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、保健師への面接聞き取り調査が実施できなかったため、調査旅費、調査データのテープおこしやデータ整理のための人件費を使用しなかった。また研究会議について、使用料のかからない会議室等を利用した。これらの理由により、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
保健師への面接聞き取り調査を実施する予定であるため、調査旅費、調査データのテープおこし、データ整理のための人件費を使用する。モデル案の検証のために、地域看護学教育研究者および公衆衛生看護実践者との意見交換を行う予定であり、その際の旅費、会場借用料を使用する。国内外の文献との照合によるモデルの理論的妥当性の検証のため、文献複写費、郵送費、情報収集旅費として使用する。研究会議開催にあたり、旅費、会議室借用料として使用する予定である。
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