研究課題
本年度は主に【A】知的・情的生き物らしさのマッピングについての行動実験と論文・学会発表、【B】の行動変容について、新規課題の選定及びパイロット実験の実施、【C】の工学応用について、プロトタイプ作成の準備、【D】の神経基盤の検討については具体的な実験計画の作成を進めた。【A】に関しては2年目までに得られた結果を論文として出版し(i-Perception、Journal of Vision、Frontiers in Psychologyなど)、また国内外の学会発表も多数行った。【B】に関しては、新規課題として視覚探索課題を採用し、写真やイラストなどの刺激を作成した上で、実験を実施した。この成果は2016年度の国際会議(ECVP2016)にて発表することが決定している。個人差についてはオンライン大規模調査の実施の準備として、主に【A】で得られた知見にもとづいて、調査に適した実験課題の選定を行った。2016年度には調査を実施する予定である。【C】の工学応用については、実際にプロトタイプを作成するには至っていないが、その元となるアイデア及び実験結果に関して国際会議(IMRF2015)でデモとポスター発表を行い、多くの研究者の興味を引き付けた。【D】の神経基盤については、個人差研究と同様に、脳波計測及びfMRI計測のために最適な刺激条件の検討を行った。アウトリーチ活動として2015年の日本心理学会総合大会にて「第2回パレイドリア研究会」として公募シンポジウムを開催し、臨床医学、工学、霊長類学者という異分野の研究者に講演を依頼し、好評を博した。総合的に考えると「生き物らしさ」という、本研究課題開始当初には非常にマイナーだった単語がある程度の認知を得たように感じており、今後の研究がますます期待されているとも感じている。
2: おおむね順調に進展している
【A】知的・情的生き物らしさのマッピングについては当初予定に比べても順調に行動データが蓄積されており、論文発表、学会発表も多数行っている。【B】の行動変容についても、視覚探索などの新しい課題を通して新奇な知見をえることができている。【C】の工学応用はプロトタイプ作成の準備に時間を要している。【D】の神経基盤の検討については実験計画を練っている最中であり、次年度には実施できる予定である。総合的にみて、順調に進展している。
研究計画にならって研究を実施する。特に研究課題中の【C】【D】に関して、研究がより進展するように研究協力者を募るなどの方法で対応する。
参加予定であった国際会議(ESCOP2015@キプロス)が政情不安のため参加できなかったこと、及び実験装置が順調に稼働しており更新が不要であったこと。
所属機関の異動について、所属機関内に学部学生が多く在籍するため、研究補助員として雇用して研究を加速させる。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件) 備考 (3件)
Frontiers in Psychology
巻: 7 ページ: 1-9
10.3389/fpsyg.2016.00217
PLoS ONE
巻: 10 ページ: 1-17
10.1371/ journal.pone.0141466
i-Perception
巻: 6 ページ: 1-14
10.1177/2041669515606007
Journal of Vision
巻: 15 ページ: 1-17
10.1167/15.8.17
巻: 6 ページ: 1-9
10.3389/fpsyg.2015.00662
http://www.fennel.rcast.u-tokyo.ac.jp/projects/pare201502/
http://www.fennel.rcast.u-tokyo.ac.jp/projects/pare201509/
http://www.fennel.rcast.u-tokyo.ac.jp/research/dot-animacy/