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2014 年度 実績報告書

自発性瞬目の機能的役割とその神経機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 25700014
研究機関大阪大学

研究代表者

中野 珠実  大阪大学, 生命機能研究科, 准教授 (90589201)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワード自発性瞬目 / 遺伝子変異 / ドーパミン / ニコチン受容体
研究実績の概要

自発性瞬目の機能的役割とその神経機構を明らかにすることを目的に研究を行った。神経伝達物質のドーパミンを投与すると自発性瞬目率が増加するという先行研究に着目し、ドーパミンの放出に関連する神経シナプス受容体や代謝酵素の遺伝子変異と瞬目率の個人差を明らかにすることで、瞬目の発生に関与する神経機構を解明することを試みた。具体的には、150名の学生が自由に映画を見ているときの瞬目率を計測し、その個人差と相関する1塩基多型を調べた。その結果、ドーパミン放出細胞のプレシナプス受容体であるニコチン受容体の遺伝子変異が有意に瞬目率の個人差と相関することを明らかにした。
つぎに、自発性瞬目に伴う神経活動を明らかにするために、映像観察時に自然に発生した瞬目に伴う脳活動の変化をfMRI法を用いて調べた。その結果、以前に発見したデフォルト・モード・ネットワークの領域に加えて、両側の海馬、両側の小脳が瞬目に伴い血流が増加することを発見した。
上記の結果をそれぞれ論文としてまとめ、英文査読誌に掲載された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

自発性瞬目の機能的役割とその神経機構の解明に関して、認知行動課題を用いて機能的役割を明らかにするとともに、関連する神経伝達物質のシナプス受容体との関連を調べることで、神経機構の解明に関する研究も並列して進めることができている。

今後の研究の推進方策

自発性瞬目率と関係する神経シナプス受容体や神経伝達物質を明らかにし、さらに、具体的に脳のどこの領域の神経が重要であるのかも調べることで、自発手性瞬目に関する脳神経機構の解明を一段更に深める。
さらに、瞬目の機能の神経機構を明らかにするため、電気生理学的手法を用いて、神経活動を直接計測することを試みる。

次年度使用額が生じた理由

電気生理学的手法を用いた瞬きに伴う神経活動の計測を次年度に行うことにしたため、それに必要な計測装置の使用料や購入費を次年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

脳活動計測のためのMRIの使用料と、電気生理学的手法を用いた神経活動の計測のための装置や電極購入に使用する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Association of a nicotinic receptor gene polymorphism with spontaneous eyeblink rates2015

    • 著者名/発表者名
      Nakano T, Kuriyama C, Himichi T & Nomura M.
    • 雑誌名

      Scientific Reports 5

      巻: 8658 ページ: ---

    • DOI

      10.1038/srep08658

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Involvement of the left insula in the ecological validity of the human voice2015

    • 著者名/発表者名
      Tamura Y, Kuriki S. & Nakano T.
    • 雑誌名

      Scientific Reports 5

      巻: 8799 ページ: ---

    • DOI

      10.1038/srep08799

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Blink-related dynamic switching between internal and external orienting networks while viewing videos.2015

    • 著者名/発表者名
      Nakano T.
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: Mar. ページ: ---

    • DOI

      10.1016/j.neures.2015.02.010.

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Cortical networks for face perception in two-month-old infants2014

    • 著者名/発表者名
      Nakano T, Nakatani K.
    • 雑誌名

      Proceedings of the Royal Society B Biological Sciences

      巻: 281 ページ: ---

    • DOI

      10.1098/rspb.2014.1468

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Association of a nicotinic receptor gene polymorphism with spontaneous eyeblink rates2015

    • 著者名/発表者名
      中野珠実
    • 学会等名
      日本生理学会
    • 発表場所
      神戸市
    • 年月日
      2015-03-22 – 2015-03-22
  • [学会発表] 自発性瞬目の機能的役割とその神経機構2014

    • 著者名/発表者名
      中野珠実
    • 学会等名
      電機情報通信学会HIP
    • 発表場所
      奈良市
    • 年月日
      2014-09-26 – 2014-09-26
    • 招待講演
  • [学会発表] 瞬きの同期現象とその神経メカニズム2014

    • 著者名/発表者名
      中野珠実
    • 学会等名
      日本心理学会第78回大会
    • 発表場所
      同志社大学今出川キャンパス, 京都市
    • 年月日
      2014-09-22 – 2014-09-22

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公開日: 2016-06-01  

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