我々ヒトはおよそ3秒に1回瞬きをする。眼球湿潤に必要な数の5倍にも上ることから、何のために頻回に自発的に瞬きをしているのかは不明である。本研究では、自発性瞬目の機能的役割とその神経機構の解明を目的に研究を行った。映像観察時に自発的に発生した瞬きに伴う脳活動の変化を調べたところ、デフォルト・モード・ネットワークに加えて海馬や前頭眼窩野などの領域が活動を一過性に上昇させる一方、背側と腹側の注意のネットワークの活動が一過性に減少することを発見した。さらに、ニコチン性アセチルコリン受容体の遺伝子多型により瞬目率に違いがあること、また、右の角回が瞬目率に影響を与えていることを明らかにした。
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