研究課題/領域番号 |
25700015
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
嶋田 総太郎 明治大学, 理工学部, 准教授 (70440138)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ミラーシステム / 報酬系 / 脳機能イメージング / 社会性 / 認知科学 |
研究概要 |
本研究では、ミラーシステムと報酬系がどのように相互連関しているかを、応援とカメレオン効果の脳機能計測実験を通じて明らかにすることを目的としている。ミラーシステムは他者の行動を自己の感覚運動表現にマッピングする脳領野であり、人間の社会性認知に深く関わっている。 初年度にあたる平成25年度は、じゃんけん応援課題として、応援している他者の勝敗結果によってミラーシステムの活動および報酬系との機能的結合性がどのように変化するかを検討した。ここでの作業仮説は、「他者を応援する際に、他者と自己が内的に同化し、これに報酬系が機能的に結合することで、他者の得た報酬が自己においても報酬として処理される」というものである。機能的核磁気共鳴法(fMRI)実験の結果、応援している他者が勝った場合にミラーシステムと報酬系の活動が亢進し、その機能的結合性も高まるという仮説に沿った結果が得られている。 カメレオン効果実験については、単純な書写課題を用いた予備実験を行い、模倣された他者に対する好感度が高まることを確認した。また経頭蓋直流電気刺激(tDCS)を用いて社会性脳機能を亢進させる実験を行うにあたり、その基礎的検討として運動課題を用いた実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
応援課題についてのfMRI実験はほぼ予想通りの結果が得られ、現在、論文投稿の準備をしている。カメレオン効果課題についてもfMRIを用いた本実験へ向けて着実に準備が進んでいる。脳波計(EEG)および近赤外分光法(NIRS)を用いた二人同時脳活動計測実験については進行がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
応援課題実験の結果の論文投稿および学会発表を行う。また、応援課題についての近赤外分光法(NIRS)および脳波計(EEG)を用いた2人同時計測実験を開始する。カメレオン効果実験およびtDCS実験については引き続き準備および本実験の遂行を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
fMRI実験の結果解析に予想以上に時間がかかったため、脳波計を用いた実験があまり進まなかった。このため脳波計関連の消耗品の購入が遅れている。また被験者謝金も次年度に持ち越すことになった。 脳波計実験を進める際の消耗品購入に充てる。また被験者謝金および研究成果の学会発表旅費に充てる。
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