研究課題/領域番号 |
25700028
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
田原 健二 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80392033)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 柔軟指先モデル / 触覚情報 / マニピュレーション |
研究概要 |
本年度では,まず柔軟指に関するモデリングとして,これまで平面に限定されていた指先の柔軟変形を伴う転がり接触モデルについて,物体のエッジ部分への接触を考慮した変形モデルへの拡張を行った.エッジ部分における柔軟接触部分においてモーメントが発生し,これによって変形部分にポテンシャルが生成され,そのポテンシャル最小点で安定となるという仮設を立て,これを基にしたモデリングを行い,実験によってエッジの接触状態と発生モーメントの関係を明らかにした. また,外界センサを用いた物体把持手法として,これまでは視覚センサを用いることを前提としていたが,新たに触覚センサを用いた手法を開発し,それを用いたシミュレーションにより,触覚センサにノイズや誤差,時間遅れ等が含まれた場合でも,安定に物体把持および姿勢制御が行えることを示した.本手法は,今後行う視覚との融合を前提として設計されており,視覚と触覚の融合を仮想フレームを用いて行うことで,外界センシング情報にノイズや誤差,時間遅れが含まれる場合においても,安定・正確に物体把持・姿勢が動的に行う制御手法の実現が期待される.また,本研究成果は,研究代表者の出張先であったスイス連邦工科大学ローザンヌ校のLASA Laboratoryの協力を得て実現した. 一方で,ハードウェアとしてトルク制御が可能な6自由度汎用ロボットアームの設計・製作を行った.今後同様に製作を予定している多指ロボットハンドを手先効果器として搭載することにより,最終的な目標である多指ハンドアームを用いた物体把持・捜査手法の実験検証を行う予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
外界センサとして新たに触覚センサを導入することにより,視覚のみと比較してよりロバストなマニピュレーション手法の開発が可能となったこと,および,仮想フレームを用いることにより,センサー情報とロボット自身のセンサ(エンコーダ等)による体性感覚情報の融合が容易となり,さらに,ここに融合されるセンサ情報についても,視覚のみでなく,触覚情報をも同時に融合可能となることの目処が立っていること,などから,最終目標であるセンサ情報と体性感覚情報との融合によるマニピュレーション手法の開発について,おおむね順調と言える.
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今後の研究の推進方策 |
まず,柔軟指先モデルの拡張をさらに進め,確率的な表現手法を用いたより現実的な接触モデルを構築する. また,物体把持制御手法について,視覚と触覚情報を仮想フレームにおいて融合するための理論的枠組みの構築,およびその安定性についての議論を行う. 同時に,ハードウェアとして3本指多指ハンドロボットを作成し,それをこれまで作成している6自由度アーム先端に取り付け,それを用いた把持実験により,提案手法の有効性を確認するとともに,実験と理論構築を相互に行いながら,センサ情報と制御則とのさらなる融合を目指す.
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度では,本来の計画では多指ロボットハンドを製作する予定であり,6自由度ロボットアームの製作は次年度としていたが,研究の進捗状況によりこの製作順序を入れ替えた為,次年度使用額が発生した.ハードウェアの製作順序の変更のみであり,全体としての予算の使用方法の変更ではない為,大きな問題ではないと判断した. 次年度使用額が生じた理由で述べた通り,ハードウェアの製作順序を変更した.よって,本年度に6自由度ロボットアームを作成し,次年度に多指ロボットハンドを製作する予定である.
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