| 研究課題/領域番号 |
25700031
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| 研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
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研究代表者 |
細川 千絵 国立研究開発法人産業技術総合研究所, バイオメディカル研究部門, 主任研究員 (60435766)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 神経細胞 / 光ピンセット / フェムト秒レーザー / ナノバイオ / 蛍光解析 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では、集光レーザービームの光摂動技術を神経細胞内分子動態の能動操作に応用し、光摂動に伴い変化する神経細胞ネットワークの時空間ダイナミクスを明らかにする。レーザー光摂動を用いて神経細胞のシナプス結合部位に局在する機能分子集合体を操作し、神経細胞の脱分極過程を操作する技術を開発することにより、レーザー摂動による神経細胞ネットワークの時空間制御の実証を目指す。
本年度は、昨年度に引き続いて、興奮性神経伝達において主要な受容体であるAMPA型グルタミン酸受容体（AMPA-R）分子を対象とし、蛍光イメージング解析によりレーザー照射前後における分子動態変化について検証した。培養神経細胞のシナプス部位に局在するAMPA-Rに対して、免疫蛍光染色により蛍光性量子ドットを標識し、波長1064 nmの光ピンセット用レーザーを照射した。単一粒子追跡法により細胞膜表面におけるAMPA-R分子の拡散係数を求めた結果、レーザー光強度が高く、培養日数の経過とともに集光領域での分子運動が遅くなる傾向を見出し、AMPA-R分子の光捕捉を確認した。
さらに、集光フェムト秒レーザー照射に伴う神経細胞の光刺激手法の開発のため、神経回路網の細胞外電位計測と蛍光Ca2+イメージングとの同時計測により、レーザー照射に伴う神経回路網の誘発応答について検証した。レーザー照射直後において一過性の細胞内Ca2+濃度上昇が見られ、近接する電極上の細胞から高頻度の電位変化が観測され、フェムト秒レーザー光刺激により神経活動の伝搬が誘発されたことを示した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究実施計画に基づいて研究が遂行され、神経細胞表面のAMPA受容体分子の光捕捉過程を蛍光イメージング解析により明らかにした。また、神経回路網の細胞外電位計測と蛍光Ca2+イメージングとの同時計測を行い、集光フェムト秒レーザー照射に伴う神経活動の誘発応答を確認しており、研究計画に沿って順調に研究が進展していると判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
集光レーザー摂動による神経細胞ネットワークの時空間ダイナミクスを明らかにするため、神経シナプス部位に局在する神経伝達物質受容体の光捕捉メカニズムについて考察し、成果をまとめる。また、集光フェムト秒レーザー刺激メカニズムを考察し、レーザー刺激に伴う神経細胞ネットワークの機能的結合特性を検証し、レーザー刺激手法の確立を目指す。得られた成果についてまとめ、学会発表や論文発表を行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
本研究に関わる経費の削減、および効率的な使用により生じた。
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| 次年度使用額の使用計画 |
集光レーザー摂動に伴う神経細胞ネットワークの時空間ダイナミクスの解明のための追加実験の必要経費として、さらに成果報告のための費用として使用する予定である。
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