本研究では、集光レーザービームの光摂動技術を神経細胞内分子動態の能動操作に応用し、光摂動に伴い変化する神経細胞ネットワークの時空間ダイナミクスについて検証した。蛍光相関分光解析、および一粒子トラッキング解析した結果、レーザー光強度が高く、培養日数の経過とともに量子ドット標識AMPA型グルタミン酸受容体の分子運動が遅くなる傾向を見出し、受容体分子が光捕捉され、集合することを明らかにした。さらに、蛍光カルシウム指示薬を負荷した神経細胞にフェムト秒レーザーを集光すると、細胞内Ca2+濃度が上昇し、近接する細胞へ神経活動の伝搬が誘発されることを明らかにした。
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