今後の研究の推進方策 |
上述の内容を踏まえて、最終年度は主に、1, 深層学習と探索の組合せ、2, 複数の問題への並列探索の応用、3, 並列探索ライブラリの作成、4, AlphaGo の結果の再現、を計画している。 1, 深層学習と探索の組合せ: 既に昨年度から深層学習の研究に取り組んでいる。モンテカルロ木探索の弱点を補う手法として、深層学習との組合せが有望であることがAlphaGo の結果から推測される。本年度は深層学習を応用した並列探索の研究に取り組む。これはGPUを探索アルゴリズムに利用することにもなる。今まで探索アルゴリズムにGPUが用いられた例は少なく、省電力の観点からも重要なテーマである。 2, 複数の問題への並列探索の応用: 数値制約充足問題には既に昨年度までに応用を試み、成果を上げているが今年度も引き続き、類似した問題に応用を試みる予定である。複雑な連続最適化問題が有力な候補である。昨年度新たに並列探索を応用した頻出集合列挙および多重検定についても引き続き取り組む予定である。さらに最大クリーク列挙などへの応用も準備中である。3, 並列探索ライブラリの作成: 複数の問題への応用から、並列探索に共通して必要な要素をライブラリ化し、公開することを目指す。並列探索の実装に必要な労力は依然として大きく、それを軽減することは重要なテーマである。4, AlphaGo の再現実験: 既に他者による論文発表がなされているために通常の研究目標とは異なるが、本年度はAlphaGoの論文の結果の再現にも取り組む予定である。
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