研究課題
本研究では、自動車排ガス中に含まれるエアロゾル(元素状炭素、有機炭素)および、自動車排ガス起源の二次生成エアロゾルの光学特性を明らかにすることを目指して、研究を実施した。本年度は、前年度の夏季に国立環境研究所および気象庁気象研究所と共同で神奈川県川崎市の産業道路沿道において実施した自動車排ガス起源のエアロゾル粒子の実大気集中観測で得られたデータの解析を進めた。観測では、多波長のレーザー光源を搭載した光音響分光装置を用いて、粒子の光吸収および光散乱特性の波長依存性のリアルタイム測定を行なった。また、有機物や無機塩によるBC粒子の被覆に関する情報を得るため、微分型静電分級器とエアロゾル質量分級装置、凝縮式粒子計数器を組み合わせ、エアロゾル粒子の有効密度分布のリアルタイム測定を実施した。これらの測定においては、一定時間ごとに、大気中の粒子を300℃に加熱した管(サーモデニューダ)を通過させ、有機物や無機塩などの非難燃性成分を除去した上で測定を実施した。加熱管を通過させた場合の測定結果を、大気中の粒子を直接測定した場合の結果と比較することで、有機物や無機塩などの非難燃性成分の影響について検討した。その結果、排出源近傍では、BC粒子の大部分は、有機物や無機塩など、大気中に存在する大部分の非難燃性成分とは、別々の粒子として存在(外部混合)しており、他の非難燃性成分の被覆による光吸収の増大は小さいことが判明した。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 2件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 7件、 招待講演 1件)
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