分光学的手法を用いて、自動車排ガス中の粒子および排ガス中の気相成分が酸化され生成する粒子の光吸収および光散乱を測定し、一次有機エアロゾル(POA)および二次有機エアロゾル(SOA)の光吸収や、被覆が黒色炭素(BC)の光吸収の増加に及ぼす影響について調べた。その結果、自動車排ガス中のPOAやSOAが、自動車の種類や運転条件、酸化過程によっては、無視できない光吸収性を持つことが判明した。また、排出時には被覆によるBCの光吸収の増加はわずかであるが、大気中での酸化が進むにつれて有機物や無機塩による被覆が進み、BCの光吸収が増加することが明らかとなった。
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