地球生命(圏)の限界把握においてメタンの起源推定は有効な手段の一つであり,その指標として安定同位体比が用いられている。本研究では微生物培養実験により,安定同位体比の指標性を検証した。その結果,1)炭素同位体比は水素分圧に依存して変化する,2)水素分圧が高く増殖速度が速い場合には水素ガスの同位体比がメタンの水素同位体比に影響をおよぼす,3)増殖速度が遅い場合には水素分圧に寄らずメタンの水素同位体比はおおむね一定の値を示す,4)本培養と地質試料のメタンの水素同位体比は不一致である,ことを明らかにした。
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