プラスチック原料・ビスフェノールAには、低用量効果というごく微量の暴露での悪影響が知られている。しかし、エストロゲン受容体ERαやERβに対する結合は非常に弱いため、この分子機構は不明である。一方で、エストロゲン関連受容体(ERR)という別の核内受容体がERRα、ERRβ、ERRγの3種ある。申請者らはERαの活性がERRαやERRγの存在下で増強される現象を見出した。そこで「複数の核内受容体が応答配列に結合し、協同して転写活性を制御する協働作用が起きる」と考えた。この証明を試み、ERおよびERRの発現量には細胞特異性があること、ER-ERR協働作用は塩基長に依存することなどを明らかにした。
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