研究課題
若手研究(A)
ベシクルは微生物が生産する膜小胞体であり、微生物間相互作用において中心的な役割を担っている可能性があるが、これまでにほとんど研究されてこなかった。本研究はベシクルを介した微生物間相互作用の実態を解明し、ベシクルの応用を目指す。H25年度はベシクル生産菌を活性汚泥などからスクリーニングし、これまでにベシクルを生産することが知られていなかった複数の細菌についてベシクル生産を確認することができた。ベシクルはこれまでに一部の限られた細菌でのみ生産が確認されていたが、今回得られた結果はベシクル生産の普遍性を示唆する結果となり、微生物生態系におけるベシクルの重要性が示された。得られたベシクル生産菌について、いくつかの細菌に着目し、そのベシクルの詳細について今後さらに解析していく予定である。また、ベシクル生産機構を解明するために、モデル菌として使用されている緑膿菌を用いて、ベシクルの構成成分を詳細に解析した。その結果、ベシクルがどのように誘導されるかの経路について新奇知見を得ることができた。今回新たに分かったベシクル誘導機構はストレス応答機構を介した機構であり、当該機構は細菌に広く保存されている。従って、緑膿菌のみならず、様々な細菌で同様な機構によってベシクルが誘導される可能性がある。引き続き解析することによって、これまでにほとんど理解されていなかったベシクルの生成機構を解明することが期待される。
2: おおむね順調に進展している
すでにベシクルの解析技術は構築してあったため、本年度は計画通りに研究が進み、来年度に繋がる結果も得られた。従っておおむね順調に進展していると判断した。
本年度得られた結果に基づき、引き続き計画通りに研究を行う。
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