研究課題
本研究では、申請者らが最近開発した独自技術である「溶媒フリーのレーザーエレクトロスピニング法(Laser Electro Spinning: LES)法」を応用した類例の無い新手法により、東北地域由来セルロースを原料に用いたセルロース系ナノファイバーを作製し、さらにナノペーパーヤーンの創製および生理・薬理活性を付与した高機能性テキスタイルの創製へ発展させる。生理・薬理活性成分としては主に「桑」由来の1-デオキシノジリマイシン(1-DNJ)を用い、その他東北地域の天然物由来成生理・薬理活性成分も利活用する。最終的には、高機能性被服材料としての応用法を探索・確立する。セルロース糖化ポリマーであるグルコース系ポリマーを原料とし、新規エレクトロスピニング法によってナノファイバー構造体の作製について検討した。詳細には新規エレクトロスピニングの諸条件のなかでエアブローを組み合わせ、ファイバーの細化および構造体の作製を試みた。エアブローを併用した場合、エアブロー無しの条件に比べて直径が約100 nm 程度小さいナノファイバー構造体を作製することができた。一方、グルコース系ナノファイバー構造体に薬理活性成分を付与し、その薬物徐放性について調べた。その結果、ナノファイバー構造体の繊維径が細いほど、薬物の放出性が速いことがわかった。これらの結果から、新規エレクトロスピニングによってナノファイバー構造体の形成ならにびその極細化、薬物徐放性の制御が可能となり、実用化に向けた指針を得ることができた。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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SEN’I GAKKAISHI
巻: 71 ページ: 232-235
doi.org/10.2115/fiber.71.232