研究課題/領域番号 |
25702005
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研究機関 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
大池 秀明 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品総合研究所食品機能研究領域, 主任研究員 (30455307)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 加齢性難聴 / 概日リズム / 時計遺伝子 / マウス |
研究実績の概要 |
動物個体において概日リズムが老化速度に与える影響を理解するために、時計遺伝子Clockの変異マウスを利用し、加齢性難聴を指標にした老化速度の解析を行った。個体差が非常に大きく、変異の有無による差が検出できなかった。遺伝的バックグラウンドが均一でない可能性が考えられるため、戻し交配を進めている。 続いて、概日リズムを人為的に撹乱させた際の影響を解析するため、野生型C57BL/6Jマウスを利用して、食餌時刻および明暗サイクルを変化させた場合の、エネルギー代謝および加齢性難聴の進行度を解析した。まず、行動リズムと食餌サイクルを逆転させた昼間のみの時刻制限給餌は、食餌摂取量が減少したが、体重は有意に増加した。この時、加齢性難聴の進行度には影響が見られなかった。また、明暗サイクルを週2回変更する慢性的時差ボケモデルでは、やはり、食餌摂取量が減少したが、体重は増加した。この体重増加は、食餌時刻のみを固定することにより解消された。加齢性難聴の進行度に関しては現在解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
細胞を利用した概日リズムの実験系がやや遅延しているが、動物個体を利用した実験は順調に進展しており、全体の進行度としては、おおむね順調である。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度では、これまで進めてきた分子や細胞レベルにおける実験と、動物個体レベルでの実験を統合し、体系的な理解を促進させる。
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