研究課題
これまでに、葉酸やビタミンD、食事パターンと抑うつ症状との関連を報告したが、抑うつは自記式調査票を用いて評価しているため課題が残る。そこで、うつ病との関連において注目されている脳由来神経栄養因子(brain-derived neurotrophic factor; BDNF)の血中濃度を測定し、食事・栄養要因と血中BDNF濃度との関連について検討を行う。関東地区の某企業2事業所において、平成24年および平成25年に定期健康診断にあわせて栄養疫学調査を実施し、生活習慣および食事に関する調査、採血を行い、約2200名が調査に参加した。平成25年および平成26年に参加者の血液検体より血中BDNFおよびproBDNF濃度の測定を完了した。本年度は、性や年齢、婚姻状況、職位や残業時間など労働関連要因、喫煙や飲酒、肥満度、身体活動などの生活習慣要因、血中葉酸およびビタミンD濃度、食事調査票より得られたEPAおよびDHA摂取量と血中BDNF濃度との関連を検討した。その結果、BMIが高い群では低い群に比べて、また、喫煙者は非喫煙者に比べて、血中BDNF濃度は有意に高かった。また、40歳代では30歳未満に比べて、血中BDNF濃度は有意に高かった。一方、1日2合以上飲酒する群では非飲酒群に比べて、血中BDNF濃度は有意に低かった。血中葉酸およびビタミンD濃度、EPA、DHA摂取量と血中BDNF濃度との関連は認めなかった。その他、平成25年に調査を行った事業所において、その3年後にあたる本年度に追跡調査を行い、80%以上の参加率を得た。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 2件)
Nutrition
巻: 36 ページ: 26-32
10.1016/j.nut.2016.02.024
巻: 32 ページ: 584-589
10.1016/j.nut.2015.11.014