大学等における研究活動の過程では,他者との議論や質問・回答など思考的コミュニケーションと,論文執筆,発表資料作成,調査結果整理など関連ファイル群の主観的管理を伴うドキュメンティング作業を交互に繰り返し,試行錯誤を経て成果を積み上げる「研究推敲能力」が重要だが,初学者にとってその能力修得は難しい.本研究では,性質の異なるこれら2つの試行錯誤文脈を,作業横断的に成果物と共に組織化する手法を開発した.その上で,組織化された文脈情報上における注視対象の示唆・絞込みを可能とする支援システムを開発した.これにより,試行錯誤文脈を活かした推敲能力育成支援の新たな可能性を示した.
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