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2013 年度 実績報告書

高確度年代測定と地考古学的手法を用いたホモ・サピエンスのアジア拡散経路追跡

研究課題

研究課題/領域番号 25702011
研究種目

若手研究(A)

研究機関京都大学

研究代表者

下岡 順直  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教務補佐員 (10418783)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードルミネッセンス測定装置 / 小型エックス線管球 / ホモ・サピエンス / 南回りルート / パキスタン / 中国
研究概要

1 ルミネッセンス測定装置の設計
ルミネッセンスを測定するための測定システムを設計および製作した。まず、従来の装置よりもコンパクトな形状に設計を行い、高精度でありつつも、より年代測定に特化した装置になるようにした。また、これまで使用した装置に存在したシステムの不安定さや測定時間のロスをなくす解決をするために、装置の形状や構造などを一から見直し、この装置ではより安定して無駄のない動きで測定することができるように設計することができた。さらに、装置に装着する小型エックス線管球を購入し、遮蔽設計を試み、従来のβ線源を装着するよりも簡便に使用することが可能になった。
2 野外調査
研究協力者により、パキスタンのシャー・アブドゥル・ラティーフ大学の考古学研究室の協力を取り付けることができ、ホモ・サピエンスの「南回りルート」追跡で重要となるパキスタン南部のシンド州ハイルプール県での現地調査を行い、ヴィーサル・ヴァレーにある石器遺跡および散布地が点在する砂丘の頂上および中腹にある石器集中地点の堆積物を採取した。もう一つの調査地である中国に関しては、従来のデータを再整理して雑誌に投稿し、掲載された。
その他、東南アジアの考古試料について、TLおよびOSL測定を行い、ルミネッセンス特性を考察した。これは、今後、ホモ・サピエンスの「南回りルート」追跡する上で、現在の調査地から続くルート追跡調査の試金石になると考える。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在製作しているルミネッセンス測定装置は、ハード面について完成している。次年度にソフト面の測定プログラムを作成できるので、おおむね順調である。調査では、研究協力者がパキスタンへ渡航して行った情報収集や交渉もおおむね順調である。

今後の研究の推進方策

所属先が変更になったため、年間線量計測を行えるように(例えば装置購入や外注など)する。また、試料処理を行う場所の確保や暗室の設置なども新しい所属先に相談して、場所の許可や了承を得る必要がある。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] 旧石器遺跡編年の鍵層となる三瓶池田テフラと三瓶浮布テフラの年代決定2013

    • 著者名/発表者名
      下岡順直・福岡 孝・長谷川歩・長友恒人
    • 雑誌名

      考古学と自然科学

      巻: 64 ページ: 59-67

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 日本列島における第四紀後期指標テフラの熱ルミネッセンス年代測定2013

    • 著者名/発表者名
      下岡順直・竹村恵二・長友恒人
    • 雑誌名

      第四紀研究

      巻: 52 ページ: 139-150

    • 査読あり
  • [雑誌論文] OSL dating using quartz fine grains extracted from Loess in Upper Paleolithic sites of Nihewan Basin, Northern China2013

    • 著者名/発表者名
      Shitaoka, Y. and Nagatomo, T.
    • 雑誌名

      Geochronometria

      巻: 40 ページ: 311-316

    • DOI

      10.2478/s13386-013-0123-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 向泉川平1号遺跡におけるルミネッセンス年代測定2013

    • 著者名/発表者名
      下岡順直・川端靖子・長友恒人
    • 雑誌名

      向泉川平1号遺跡・向泉川平2号遺跡

      巻: 25 ページ: 90-94

  • [雑誌論文] Preliminary study of the Age of Disappearance of Datong Lake and Appearance of Sanggan River Based on OSL and 14C Data in Nihewan Basin, China2013

    • 著者名/発表者名
      Shitaoka, Y., Sagawa, M., Nagatomo, T., Wei, Q., Chao, M. and Hu, P.
    • 雑誌名

      The 16th International Symposium: Suyangge and her neighbours

      巻: 16 ページ: 27-37

  • [雑誌論文] パキスタン・シンド州の旧石器時代遺跡調査:ヴィーサル・ヴァレー・プロジェクト20122013

    • 著者名/発表者名
      野口 淳・下岡順直・G.M.ヴィーサル・Q.H.マッラー・N.シェイフ・近藤英夫
    • 雑誌名

      インド考古研究

      巻: 34 ページ: 91-94

  • [雑誌論文] PJAM/パキスタン‐日本考古学共同調査2012-2 ヴィーサル・ヴァレー地区旧石器時代遺跡群発掘調査2013

    • 著者名/発表者名
      野口 淳・下岡順直
    • 雑誌名

      インド考古研究

      巻: 34 ページ: 95-100

  • [雑誌論文] 考古学におけるルミネッセンス年代測定法の利用2013

    • 著者名/発表者名
      下岡順直
    • 雑誌名

      フィッション・トラック ニュースレター

      巻: 26 ページ: 73-74

  • [雑誌論文] 考古学におけるTLおよびOSL年代測定の適用例2013

    • 著者名/発表者名
      下岡順直
    • 雑誌名

      月刊地球

      巻: 号外62 ページ: 66-72

  • [学会発表] TL法とOSL法を用いた焼成レンガの蓄積線量比較2014

    • 著者名/発表者名
      下岡順直
    • 学会等名
      第30回ESR応用計測研究会・2013年度ルミネッセンス年代測定研究会・第38回フィッション・トラック研究会
    • 発表場所
      不死王閣
    • 年月日
      20140217-20140217
  • [学会発表] 焼成レンガを用いたTL年代とOSL年代の比較2013

    • 著者名/発表者名
      下岡順直
    • 学会等名
      日本文化財科学会第30回大会
    • 発表場所
      弘前大学
    • 年月日
      20130706-20130706
  • [学会発表] 南アジアの旧石器時代:地考古学にもとづく石器群編年の再検討2013

    • 著者名/発表者名
      野口 淳・下岡順直・近藤英夫
    • 学会等名
      日本旧石器学会第11回
    • 発表場所
      東海大学
    • 年月日
      20130615-20130615
  • [学会発表] 現代型人類拡散の「南回りルート」における地理的多様性2013

    • 著者名/発表者名
      野口 淳・下岡順直・カシード, H, マッラー・グーラム, M, ヴィーサル・ニローファー, シェイフ・近藤英夫
    • 学会等名
      日本地球惑星科学連合大会
    • 発表場所
      幕張メッセ
    • 年月日
      20130523-20130523

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公開日: 2015-05-28  

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