研究課題
若手研究(A)
本研究では、高解像度地形データの取得方法および解析手法の確立を目的とし、各種地形・地物を対象とした計測と解析を進め、そのアーカイヴ化と共有、解析プロトコルの構築を行うことを目的とする。研究開始にあたり、既に導入済みである中距離型の地上レーザスキャナに加え、短距離型および長距離型の機材の導入を想定していたが、費用対効果を慎重に検討した結果、短距離型の地上レーザスキャナのみ新規導入することとなった。一方、長距離での地形計測については、SfM写真測量など代替手法でのデータ取得を検討する。現地測量は、平地歩道面、海岸侵食、急傾斜地土石流堆積物、塩類風化砂岩、泥火山活動、岩石海岸隆起ベンチ、林地、洞窟壁面風化帯、津波侵食を受けた岩石段丘といった各地で実施した。また、取得した高解像度地形データの解析ツールとして、流向に基づく複スケールでの勾配・比勾配計算アルゴリズムを適用したツールボックスの開発を進めた。これにより、地表面上における特徴点の定量的な抽出が可能となる。並行して, 取得したデータの共有ウェブシステムの開発を行った。この点においては、まず既に実装されている共同研究支援システムにデータのカテゴリ生成および実データの投入を行い、関連する研究者間で利用可能とした。また、3次元座標をもつ点群データの特徴を生かすため、データの3D表示が可能となる方式でシステム改善をめざし、その基礎的開発を進めた。これらのデータ・ツールへの入口として独自のウェブサイトも立ち上げた。2013年9月には南カリフォルニア地震研究センター主催VISESワークショップと連動して、公開セミナー「高解像度地形データを用いた地形研究」を実施した。ここでは、高解像度地形データの地形学的・地震学的適用事例の紹介や、各種利点・問題点などについて活発に議論された。
2: おおむね順調に進展している
レーザスキャナの導入、現地測量の実施、データ解析、ウェブサイト立ち上げなど、概ね計画通りに進行している。さらに、セミナーの開催は想定していたよりも早期に実施することができ、研究の進展を推進するものとなった。
現地計測を継続的に実施し、また同地点の複数回計測からの地形変化の抽出も試みる。この点で、特に位置合わせ(レジストレーション)の解決方法が重要である。また取得したデータの解析を一層進め、その解析手法やノウハウの蓄積と効率的な共有方法の検討を進めていく。
システム開発および機材の補修・キャリブレーション等を次年度以降に実施する事を予定しているためである。研究期間を通して随時、システム開発および機材の補修・キャリブレーション等に使用する。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件) 備考 (1件)
International Journal of Geosciences
巻: 5 ページ: 527-539
10.4236/ijg.2014.55049
Earth-Science Reviews
巻: 135 ページ: 1-16
10.1016/j.earscirev.2014.03.004
写真測量とリモートセンシング
巻: 53 ページ: 67-74
10.4287/jsprs.53.67
地形
巻: 35 ページ: 283-294
In: Y. Kontar, V. Santiago-Fandino, T. Takahashi (eds.), Tsunami Events and Lessons Learned; Environmental and Societal Significance, Advances in Natural and Technological Hazards Research, Springer.
巻: 35 ページ: 243-253
10.1007/978-94-007-7269-4_13
Geomorphology
巻: 204 ページ: 485-492
10.1016/j.geomorph.2013.08.027
Geografiska Annaler
巻: 96 (1) ページ: 9-19
10.1111/geoa.12024
In: Shroder, J. (ed.) Treatise on Geomorphology vol. 9: Fluvial Geomorphology. Academic Press, Elsevier
巻: 9 ページ: 711-729
10.1016/B978-0-12-374739-6.00262-1
巻: 4 (6A2) ページ: 8-16
10.4236/ijg.2013.46A2002
The Open Geology Journal
巻: 7 ページ: 54-62
10.2174/1874262901307010054
http://topography.csis.u-tokyo.ac.jp/