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2016 年度 実績報告書

メカニカルストレスを基軸とする運動器障害の発生機序解明:リハビリテーションの再考

研究課題

研究課題/領域番号 25702032
研究機関神戸大学

研究代表者

森山 英樹  神戸大学, 保健学研究科, 教授 (10438111)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2017-03-31
キーワードメカニカルストレス / 運動器 / リハビリテーション
研究実績の概要

本研究の目的は、メカニカルストレスの過剰と減弱に起因する運動器障害の発生機序を解明することである。
昨年度からの継続で、メカニカルストレスの減弱環境における関節軟骨の変性メカニズムをin vivoで調査した。マウス後肢非荷重モデルおよび膝関節固定モデルでは、関節軟骨の深層でRANKL陽性細胞が増加し、OPG陽性細胞が減少した。さらに、軟骨下骨の萎縮に伴い、骨髄腔が関節軟骨にまで拡がり、関節軟骨の下端に接触する骨面で、MMP13の局在と、強いTRAP活性が認められた。これらの結果から、減弱環境下では、軟骨細胞が軟骨下骨における破骨細胞の活性化に寄与し、さらに活性化した破骨細胞が関節軟骨を分解・吸収するという、関節軟骨と軟骨下骨の間の相互作用が存在することが示唆された。また、関節軟骨の非石灰化層で認められたプロテオグリカンの減少とALP活性の亢進は、関節軟骨の石灰化亢進を示唆し、tidemark advancementの引き金となる可能性が示された。
これらの結果と、現在も進展中のメカニカルストレスの過剰環境の実験動物モデルから得られている結果を合わせると、メカニカルストレスの過剰と減弱ともに、関節軟骨の厚さの変化がみられ、軟骨基質の分解酵素が過剰に産生されるが、減弱環境では変形性関節症のような過剰環境で鍵となる軟骨細胞の肥大化がみられない。また、関節軟骨の変性と密接に関連する軟骨下骨において、過剰環境では脆弱化から骨硬化に移行する一方で、減弱環境では初期から一貫して破骨細胞の活性化により骨吸収が亢進し、高度な骨萎縮がみられる。廃用と過用は別の病態として扱われているが、メカニカルストレスを基軸とする共通の疾患と捉えることで、発症メカニズムのうち共通するものと異なるものの全体像が明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

28年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額が生じた理由

28年度が最終年度であるため、記入しない。

次年度使用額の使用計画

28年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Thinning of articular cartilage after joint unloading or immobilization. An experimental investigation of the pathogenesis in mice2017

    • 著者名/発表者名
      Nomura M, Sakitani N, Iwasawa H, Kohara Y, Takano S, Wakimoto Y, Kuroki H, Moriyama H
    • 雑誌名

      Osteoarthritis Cartilage

      巻: 25 ページ: 727-736

    • DOI

      10.1016/j.joca.2016.11.013

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 運動が関節におよぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      森山英樹
    • 雑誌名

      Clin Calcium

      巻: 27 ページ: 87-94

    • DOI

      CliCa17018794

  • [雑誌論文] Stretching after heat but not after cold decreases contractures after spinal cord injury in rats2016

    • 著者名/発表者名
      Iwasawa H, Nomura M, Sakitani N, Watanabe K, Watanabe D, Moriyama H
    • 雑誌名

      Clin Orthop Relat Res

      巻: 474 ページ: 2692-2701

    • DOI

      10.1007/s11999-016-5030-x

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ボツリヌス療法は中枢性麻痺後の関節拘縮の予防と治療において有効であるが、筋萎縮を助長する2017

    • 著者名/発表者名
      崎谷直義, 渡部大地, 野村将人, 岩澤裕之, 島谷俊亮, 高野祥子, 小笠原慎, 脇本祥夫, 小原雄太, 鈴木崚太, 水野絵理子, 小澤淳也, 森山英樹
    • 学会等名
      第52回日本理学療法学術大会
    • 発表場所
      幕張メッセ(千葉県・千葉市)
    • 年月日
      2017-05-12 – 2017-05-14
  • [学会発表] Mechanical unloading causes subchondral osteoclast activation resulting in thinning of articular cartilage2017

    • 著者名/発表者名
      Nomura M, Sakitani N, Iwasawa H, Wakimoto Y, Takano S, Kohara Y, Shimaya S, Moriyama H
    • 学会等名
      第3回国際再生リハビリテーションシンポジウム
    • 発表場所
      京都大学(京都府・京都市)
    • 年月日
      2017-02-11 – 2017-02-11
  • [学会発表] 関節内におけるメカニカルストレスの分布の変化が関節軟骨に与える影響-マウス後肢非荷重および関節固定モデルを用いた実験的検討-2016

    • 著者名/発表者名
      野村将人, 崎谷直義, 岩澤裕之, 髙野祥子, 小原雄太, 島谷俊亮, 脇本祥夫, 長井桃子, 飯島弘貴, 黒木裕士, 森山英樹
    • 学会等名
      第3回日本運動器理学療法学術集会
    • 発表場所
      本多の森ホール(石川県・金沢市)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [学会発表] 脊髄損傷後の骨折は通常と異なる骨化様式を経て早く治癒する2016

    • 著者名/発表者名
      崎谷直義, 岩澤裕之, 野村将人, 脇本祥夫, 高野祥子, 小原雄太, 島谷俊亮, 伊藤明良, 長井桃子, 太治野純一, 張項凱, 山口将希, 飯島弘貴, 黒木裕士, 森山英樹
    • 学会等名
      第3回日本運動器理学療法学術集会
    • 発表場所
      本多の森ホール(石川県・金沢市)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [学会発表] 脊髄損傷後の痙性が関節拘縮に与える影響2016

    • 著者名/発表者名
      島谷俊亮, 崎谷直義, 小澤淳也, 渡部大地, 野村将人, 脇本祥夫, 高野祥子, 小原雄太, 森山英樹
    • 学会等名
      第3回日本運動器理学療法学術集会
    • 発表場所
      本多の森ホール(石川県・金沢市)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [学会発表] ラット脊髄損傷後の関節拘縮に対するA型ボツリヌス毒素の治療効果の検討2016

    • 著者名/発表者名
      小原雄太, 崎谷直義, 小澤淳也, 渡部大地, 野村将人, 岩澤裕之, 脇本祥夫, 高野祥子, 島谷俊亮, 森山英樹
    • 学会等名
      第3回日本運動器理学療法学術集会
    • 発表場所
      本多の森ホール(石川県・金沢市)
    • 年月日
      2016-12-03 – 2016-12-04
  • [備考] 運動器理学療法研究室ホームページ

    • URL

      http://www2.kobe-u.ac.jp/~morihide/

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公開日: 2018-01-16  

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