メカニカルストレスは、関節の機能維持に不可欠であるが、程度により変性の誘因となる。この関節の変性の根本的な原因は、メカニカルストレスの過剰と減弱である。そのため、メカニカルストレスを基軸として、関節の主要構成体である関節軟骨に生じる変性の発生機序を解明することを目的とした。過剰と減弱ともに、関節軟骨の厚さの変化と軟骨基質の分解酵素が過剰に産生されるが、過剰で鍵となる軟骨細胞の肥大化がみられなかった。また、軟骨下骨は、脆弱化から硬化へ移行する過剰と異なり、減弱では一貫して破骨細胞の活性化による骨萎縮がみられた。関節軟骨の変性に至る過程における過剰と減弱の間の共通点と相違点が明らかになった。
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