研究課題/領域番号 |
25702039
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
安藤 創一 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (50535630)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 認知機能 / 運動 / 脳 / 低酸素 / 高温環境 |
研究実績の概要 |
認知機能の低下はスポーツにおけるパフォーマンスの低下だけでなく,日常生活においても大きな事故や怪我につながる可能性がある.したがって,運動中や身体活動時に認知機能の低下を防ぐ方法や認知機能を改善・向上させるプログラムをエビデンスと共に提供することは重要である.そこで本年度は,低酸素環境下および高温環境下といった,生体での応答が通常環境下とは異なる環境下での運動がヒトの認知機能に及ぼす影響について検討した.その結果,酸素濃度が15%まで低下した低酸素環境下での中強度の運動中にも認知機能に向上がみられた(Komiyama et al. 2015).さらに,酸素濃度を12%まで低下させた低酸素環境下での中強度の運動中にも,予想に反して認知機能の向上がみられた(学会シンポジウムでの発表).これらの結果は,中強度の運動がヒトの認知機能にもたらす有益な効果が非常に強いことを示唆している.一方,高温環境下での高強度運動中にヒトの認知機能がどのような影響を受けるのかについても検討した.その結果,高温環境下での高強度の運動中には認知機能が低下すること,そして頸部へのタオルによる簡便な冷却では,高強度の運動中の認知機能の低下に対して有益な効果がないことを明らかにした(Ando et al. 投稿中).さらに,これまでの研究成果をもとに一過性の運動と認知機能の関係についてまとめた(Ando S. Exercise-Cognition Interaction, Chapter 6, McMorris T, Editor, In press).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
低酸素環境下での運動が認知機能に及ぼす影響に関する論文を発表し(Komiyama et al. 2015, Physiol Behav),国際学会および国内学会のシンポジウムでその概要を発表した(Ando et al. 2014, 17th World Congress of Psychophysiology,安藤,2014年体力医学会).また,高温環境下での高強度の運動が認知機能に及ぼす影響と冷却効果に関する論文を発表した(Ando et al. 投稿中).以上のことから,本研究課題から得られた研究成果は大きいものであり,研究は順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果から.一過性の運動が認知機能にもたらす有益な効果が非常に強いことが示唆された.そこで,今後はなぜ運動が認知機能を向上させるのかについて,そのメカニズムの解明に焦点をあてた研究を中心に進めていきたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は順調に研究を進めることができたが,端数の1,805円が残金となった.
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度の残金である1,805円は平成27年度に消耗品費として使用する計画である.
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