研究課題
本研究の主な目的は,運動中の認知機能を定量的に評価し,その低下を防ぐ方法について検討することであった.本年度は,昨年度までの研究をさらに発展させる形で研究を継続した.昨年度までに得られたデータや,本年度新しく測定したデータをもとにして,本年度は以下の論文を発表した,1) 酸素濃度が15%に低下した低酸素環境下においても,通常環境下と同様に運動により認知機能が向上すること(Komiyama et al. 2015),2) 高温環境下での高強度運動中に頸部への冷却を行っても,認知機能には影響を与えないこと(Ando et al. 2015),3) 朝食を欠食すると認知機能は低下するが,朝食摂取の有無に関係なく運動中に認知機能は向上すること(Komiyama et al. 2016),4)高強度運動中にみられる周辺視野への視覚刺激に対する反応の遅延は,周辺視野での知覚能力の低下によること(Ando et al. 2016).さらに,これまでの国内外の研究成果を精査し,我々の研究成果や先行研究の知見をまとめることで,脳血流の増加および組織酸素飽和度の変化が運動により認知機能を直接的に向上させている要因ではないことを示唆した(Ando 2016).これらの結果は,一過性の運動がヒトの認知機能に及ぼす影響に関して,新しい知見を提供するものであると言える.したがって,これらの成果はスポーツ現場にとって有益な情報となることが考えられる.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
Physiol Behav
巻: 161 ページ: 33-37
巻: 157 ページ: 178-184
BMC Res Notes
巻: 8 ページ: 202
巻: 139 ページ: 290-296