本研究では、グリア細胞のうち、アストロおサイト内でのpHやCa2+イオン濃度変化を検出するため、それぞれのイオン濃度に応じて蛍光が変化するタンパク質を発現する遺伝子改変マウスを作製した。これらの動物から急性脳スライス標本を作製し、細胞内pHやCa2+計測を高精度に行った。従来の色素を用いた方法と比較して、はるかに感度良く応答が記録できるとともに、細胞種特異性が維持できるため、細胞の細かい突起状の箇所での変化を計測することが可能になった。また、生きているマウスの頭蓋骨に小さな窓を開け、そこに光ファイバーを通すことで、覚醒時行動中のマウスのグリア細胞内イオン濃度変動を実測することに成功した。
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