研究課題/領域番号 |
25704004
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
山田 修 東京藝術大学, 総合芸術アーカイブセンター, 研究員 (30571723)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 文化財 / コンテンツ・アーカイブ / 3D / 芸術諸学 / 情報工学 / CG / VR |
研究概要 |
平成25年度は当該テーマに沿った形の3Dデータを制作する研究を中心に行った。まず形状についてだが、3Dスキャンによる場合どれくらいの精度で測定するか、またどれくらいデータをリダクションする必要があるか、またモデリングによってどれくらいつくりこめばよいかについて検討を行った。続いて3Dデータに伴うテクスチャであるが、表現するのに必要な解像度の決定や、バンプ、スペキュラ等の設定値については、実際に顔料で手彩色したものや漆箔したものなどを観察することで決定していった。多くのテストデータの制作を行ったが、特に東大寺法華堂執金剛神立像の復元CGにおいてこれらの成果の実装を行った。その結果、CGにおける適切なデータ量、画像解像度、レンダリング時間といった設定値の指標となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
3Dデータ、テクスチャ制作、CGによる表現技術については当初の予定以上に進んでおり、今年度の研究に大いに役立つことが期待される。だた表現上の検討素材となる手板の制作が若干遅れており、今年度早急に制作する段取りをしている。よって今年度はCG技術より実制作物の観察に比重を置くことでその遅れはカバーすることが可能である。
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今後の研究の推進方策 |
3Dデータの作成においても多種多様な技術が混在する中、いかにそれらの技術に対応していくかを模索していくことが重要である。3Dスキャン、写真測量、CT、図面によるモデリングなど、制作方法は異なれど、同じ仕様でアウトプットしていくことで標準化できれば、今後の研究に大いに役立つことが期待される。また本研究は人間の感性による評価が非常に重要であり、多くの方々が目にすることができるように、積極的に発表、展示を行うことが肝要である。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度において乾漆技法による手板や玉眼のサンプル模型を制作する予定であったが、その制作・仕上げ方法といった仕様において変更が生じたため、平成26年にその作業をまわすことにし、その作業費相当分の残額が生じた。 現時点で行っている作業においてそれらの手板やサンプル模型はまだスケジュール上必要とせず、研究の進行状況自体は影響を受けない。乾漆技法による手板は今年度に入りすでに制作を発注しており、近日中に納品される予定である。
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