研究課題
若手研究(A)
本課題は、聞き手が話し手の意図を理解し記憶に定着させる際の情動機能の役割とその加齢変化について、脳機能イメージングを通して検討するものである。話し手の意図は、必ず発話・文が発せられる文脈、聞き手との関係との関係で決まる。話し手の意図を検討するためには、発話・文が置かれる文脈を設定した実験を計画しなければならない。このような談話レベルの言語理解とその記憶定着過程における情動効果、さらにその加齢変化を脳機能イメージングによって検討した先行研究は見られない。そこで、まずは文脈をともなわない文のみの理解と記憶定着過程を検討することにした。初年度であった25年度には、上述の文再認における情動効果を検討するfMRI実験の準備を終えた。実験で提示する刺激文の作成のために、若年者および高齢者述べ256名を対象とした合計3回の予備調査を実施し、条件設定に叶う刺激文を選定した。またfMRI実験のプログラムを完成させた。脳活動信号を効果的に得られる刺激提示順をシミュレーションによって確定させ、そのプログラムによって2名の試し撮りを行い、問題なく実験を実施できることを確認した。2年目の26年度には、若年者および高齢者30名ずつ、合計60名の実験を実施し、分析、結果をまとめる計画である。この結果を参考にし、本課題の最終目標である「文脈を伴う話し手の意図の伝達」過程を扱うfMRI実験の立案を行う予定である。
2: おおむね順調に進展している
予備調査、fMRI実験準備が完了、試し撮りも済んでおり、実験を開始できる状態になった。
26年度6月までに若年高齢者合わせて60名の実験を終え、8月までに初分析を終える。その成果を国際学会で発表すべく準備するとともに、話し手の意図の理解を調べるfMRI実験の刺激立案、予備調査を実施する。
初年度は、2年目に実施するfMRI実験の予備調査等の準備を行った。配分金額の少ない2年目には、多くの人件費(被験者謝金および実験補助者謝金)が必要となるので、次年度使用額が生じた。fMRI実験の被験者謝金(若年者、高齢者、各30名ずつ、1回につき7,000円)、およびその実験の補助者への謝金(1実験につき2名、時給1,030円)を支払うために使用する。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (6件)
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