縄文時代早期の北海道に分布した石刃鏃文化は、大陸起源の文化だと指摘されてきた。しかし、道東におけるこの文化の遺跡群には、本州以南と同じく、完新世初頭の全体的な温暖化傾向にある気候環境に適応した集落構造があった。これは、温帯性の生活システムを選択した縄文集団が占地したことを示す。急激で短期的な8.2ka寒冷化イベントに対するリスク回避のため、亜寒帯性環境に適した技術がサハリンから導入された。気候回復後、それは不要となり、放棄された。したがって、北海道の石刃鏃文化は、縄文文化の一部であり、大陸からの渡来文化ではないといえる。
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