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2015 年度 実績報告書

伊豆修験と「伊豆峯」辺路の考古学

研究課題

研究課題/領域番号 25704015
研究機関國學院大學

研究代表者

深澤 太郎  國學院大學, その他部局等, 准教授 (60453552)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード考古学 / 歴史考古学 / 宗教考古学 / 修験道考古学 / 修験道 / 宗教学 / 伊豆国
研究実績の概要

1.伊豆修験に関する史資料の把握
伊豆修験に関する史資料については、新たに熱海市伊豆山の円光院千葉家資料を実見する機会に恵まれた。本尊である不動明王像、輪宝袈裟、法螺貝、護符・牛王宝印版木、文書類は、近世走湯山における修験七坊の上席と定められていた円光坊の姿を物語る一括資料であり、極めて貴重な歴史遺産と評価し得る。
2.辺路ルートの踏査
262ヶ所に及ぶ辺路ルートの踏査については、概ね伊豆半島を一周する全行程を跡付けることができた。『伊豆峯次第』が心壇堂岩屋と呼ぶ下田市白浜の修験窟も、下田市教育委員会による指導のもと、3次元記録保存の措置をとっている。
3.伊豆修験の歴史像
走湯山と伊豆修験の展開について、主に拝所の動向を考古学的立場から検討した結果、5つの段階に区分して理解することが可能となった。第1段階[走湯山草創期]:伊豆峯拝所の前身となる古墳時代以来の聖地や、伊豆修験の中心を担うことになる走湯山の山林寺院などが、個別に展開していった9世紀から10世紀頃。第2段階[霊場形成期]:走湯信仰や三嶋信仰といった在地信仰の核となる祭祀空間において、明確な祭祀行為の痕跡が認められる11世紀から、走湯山や三嶋社などに経塚を伴う霊場が形成され、半島各地の神社等においても和鏡の奉納が顕著に見られる13世紀頃。第3段階[伊豆峯展開期]:修験者の行場と見られる海蝕洞穴などに考古資料が認められるようになった14世紀から、「伊豆峯」を役行者の足跡と看做す信仰が定着した15世紀を経て、半島を一周する伊豆峯辺路行が定型化していった16世紀前後。第4段階[伊豆峯変容期]:伊豆峯の行場における修行より、拝所の巡拝に重きが置かれるようになったと見られる17世紀以降。第5段階[伊豆峯廃絶期]: 神仏分離と廃仏が徹底され、走湯山における一山組織が解体されると共に、伊豆修験も消滅した明治初年以降。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2016 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 「伊豆峯」の考古学-伊豆修験の形成と展開-2016

    • 著者名/発表者名
      深澤太郎
    • 雑誌名

      國學院大學博物館研究報告

      巻: 32 ページ: 37-53

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 伊豆国賀茂郡 心壇堂之岩屋2016

    • 著者名/発表者名
      深澤太郎・林大貴・植田真
    • 雑誌名

      國學院大學博物館研究報告

      巻: 32 ページ: 113-122

    • 謝辞記載あり
  • [備考] 伊豆修験と「伊豆峯」辺路の考古学

    • URL

      http://www2.kokugakuin.ac.jp/archaeology/izushugen2.html

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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