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2016 年度 実施状況報告書

現代の医療現場における「確かさ」決定のプロセスに関する文化人類学的考察

研究課題

研究課題/領域番号 25704019
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

磯野 真穂  国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 講師 (50549376)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2018-03-31
キーワード医療人類学 / 循環器疾患 / 漢方医学 / 不確実性 / 医師―患者関係
研究実績の概要

【研究内容】本年度は、診察の録音の許可が始めており、20例の診察の参与観察と録音をすることができた。調査における大きな前進である。また医師側へのインタビューも、予備調査の段階ではあるものの、スタートすることができた。本調査の目的を遂行するためには患者側への着目だけでは不十分であることがこれまでの研究から明らかであり、これは大きな進展と言える。

【研究成果における実績】循環器の調査における学術的な貢献を文化人類学、社会学のリスクの理論と絡めながら、総論として論文にまとめることができた。また漢方と循環器外来の調査結果の双方を著書の中の2章として収録することができた。漢方に関する章では、漢方の歴史的な展開および漢方を取り巻く政治情勢をフィールドワークで得られた診察室の状況に結び付けている。循環器おいてはエビデンスが診察室においてどう取り扱われるのかを描いた。いずれも本調査の題目につながる医療の不確実性がテーマである。

【本研究の重要性】本研究は文化人類学ではいまだ数の少ない、診察室での医療の実践を取り扱ったものであり、またこちらもほとんどなされていない疫学統計の結果がどのように臨床の現場で実践されているのかを観察の対象にいれいてる点で意義があると考えられる。またその成果を文化人類学の内部だけではなく、医師の協力の元、医学的な雑誌やがいいあで発表をしているところにも応用としての意義があるといえるだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究結果の総括が計画より遅れており、そのために研究機関の1年間の延長を申し出ることとなった。

今後の研究の推進方策

医師へのインタビューを勧めるとともに、研究結果の論文化を進める。文化人類学に向けたものと、医療に向けたものの二つの方向での論文化を進めていきたい。

次年度使用額が生じた理由

医師へのインタビューの開始および研究の総括が予定より遅れたことが次年度利用額が用事だ理由である。

次年度使用額の使用計画

インタビューデータの整理および研究成果発表のために予算を使う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 心房細動の抗血栓療法における不確実性―人文・社会学の立場から2016

    • 著者名/発表者名
      磯野真穂、上田みどり
    • 雑誌名

      Medical Science Digest

      巻: 42 ページ: 509-513

  • [学会発表] ブリコラージュとして捉える心房細動患者の語り ―診察の参与観察に基づく医療人類学的考察-2016

    • 著者名/発表者名
      磯野真穂、上田みどり
    • 学会等名
      第7回日本プライマリ・ケア連合学会
    • 発表場所
      浅草ビューホテル
    • 年月日
      2016-06-09 – 2016-06-10
  • [図書] 医療者が語る答えなき世界―「いのちの守り人」の人類学2017

    • 著者名/発表者名
      磯野真穂
    • 総ページ数
      212
    • 出版者
      ちくま新書

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公開日: 2018-01-16  

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