研究課題
本研究の目的は、うつ病と不安症に対する診断横断的な認知行動療法の統一プロトコルについて、日本人のうつ病及び不安症患者に対してランダム化比較試験(RCT)を実施し、その有効性、治療機序、神経基盤を検討することを目的とした。平成27年度には、すでに開始されたRCTを継続し、症例登録、介入、評価を実施してきた。この間、継続して定期的な治療スーパービジョン、評価者訓練、臨床試験のコーディネート体制の向上に取り組んできた。さらに、神経基盤を検討するための附属研究である、脳画像の撮像が本格運用を開始し、順調なペースで撮像を実現するに至った。また、臨床試験で用いられているうつの重症度と機能障害を簡潔に評価できる尺度の信頼性と妥当性を検討した論文を執筆し、公表した。さらに、臨床試験のプロトコル論文を公表するとともに、本研究の前段階として実施したパイロット研究についても公表した。
3: やや遅れている
理想的には、臨床試験の進捗度として当初の目標症例である54例の登録を目指していたものの、27年度終了時点までで46例にとどまった。しかし、脳画像の撮像の順調な運用や、プロトコル論文、パイロット試験の報告など、本研究に関わる業績を確実に報告することができ、リクルートも今後さらに進むように病院との連携の工夫を続けている。
病院との連携を進め、リクルート体制をさらに強化する。
本研究は4年計画で実施されているが、長期にわたって臨床試験を継続的に運用しなければならず、そのための人件費等の支出を試験の進捗状況に合わせて、なるべく抑えて使用する必要がある。本年度はリクルートのペースがやや遅く、臨床試験の運用をより少ない支出ですすめることができた。
臨床試験の進行状況に合わせて、データ入力やマテリアルの整備など、必要に応じて支出していく。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件)
BMC Psychiatry
巻: 15 ページ: 71
10.1186/s12888-016-0779-8
Behavior Therapy
巻: 47 ページ: 416-430
doi:10.1016/j.beth.2016.02.005
PLOS ONE
巻: 10 ページ: e0122969
http://dx.doi.org/10.1371/journal.pone.0122969