コミュニケーションを支える認知発達の定量評価法を探索するため,脳機能解析と検査手法の改良を行うとともに安静時の脳オシレーション局在を検討した.その結果,健常成人・小児で声認知に関連して運動野および体性感覚野,聴覚野,聴覚連合野付近の活動が関与することを確認した.また,会話動画と声の照合課題時と安静時の脳活動について次元削減法を用いて相似性・相違性を検討したところ,視聴覚統合への最大分散を示す主成分からTP領域とOFCやACC,島皮質間の機能的なγ帯域ネットワークを検出した.以上から,社会性認知の発達には,感覚運動野とそれらを支える皮質間ネットワークの成立によって促されることが指摘された.
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