研究実績の概要 |
本年度は、前年度に引き続いてメゾ金属らせん構造アレイの作製手法の確立およびその最適化を行うとともに、クリック反応を用いた光学活性化合物の化学結合点への付加および、らせん構造の金属化を試みた。 ①らせん構造アレイの作製手法の確立および最適化 前年度までに検討していたPoly(styrene-b-2-vinylpyridine-b-tert-butyl methacrylate)に加えて、最後のブロック鎖をtert-butyl methacrylateとn-butyl methacrylateのランダム共重合体に変えたトリブロック共重合体について検討を行った。その結果、Poly(syrene-b-2-vinylpyridine-b-(tert-butyl methacrylate-co-n-butyl methacrylate))を用いた場合、バルクフィルム中で安定な2重らせん構造を形成することが明らかになった。 ②クリック反応を用いた光学活性化合物の化学結合点への付加 Poly(syrene-b-2-vinylpyridine-b-(tert-butyl methacrylate-co-n-butyl methacrylate))のPolystyreneブロック鎖と2-vinylpyridineブロック鎖の結合点にクリック反応に用いることができるアルキン基を有するトリブロック共重合体を合成した。また、光学活性化合物として、不斉合成において広く用いられている(R)-(+)-1,1′-Binaphthyl-2,2′-diamineのアミノ基をアルキン基とクリック反応可能なアジド基に変換した。上記トリブロック共重合体と(R)-(+)-1,1′-Binaphthyl-2,2′-diazidoとを銅触媒存在下、室温で反応させることでトリブロック共重合体の化学結合点に光学活性化合物の導入に成功した。
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