研究課題/領域番号 |
25706010
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研究種目 |
若手研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
松永 行子 (津田 行子) 東京大学, 生産技術研究所, 講師 (00533663)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 生体材料 / ナノ材料 / 表面・界面物性 / 流体工学 |
研究概要 |
本研究の目的は、分子の相分離現象を利用して階層構造を有するマイクロハイドロゲルを創製することである。具体的には、マイクロ流路デバイス中に、新疎水性、粘性等の物理化学的性質が異なる二成分の流体を導入し、流動場で瞬時にゲル化を行うことによりナノからマイクロスケールレベルの階層構造を有するハイドロゲルの形成手法を確立する。形成メカニズムを解明し、制御した階層性ハイドロゲルを作製することで、最終的には、組織医療のための細胞培養足場およびマイクロアクチュエータへの応用を目指す。 平成25年度の研究では、相分離パターン挙動の調査および検討を行った。具体的には、下限臨界溶液温度をもつ種々のセルロースエーテルを主体としたポリマーブレンド溶液を調製し、温度、pH、濃度を変化に対する相分離パターンの形成を共焦点レーザー顕微鏡等により観察し、種々の条件における相分離パターン形成の最適化を行った。マイクロ流路デバイスを作製し、流路内に相分離パターンを形成したポリマーブレンドを流すことで、流動場におけるゲル化による、束状の構造を有するゲルを調製することを見出した。調製したゲルの構造を電子顕微鏡で観察し、強度を引っ張り試験機により評価した。一方で、得られた束状のゲル構造体に線維芽細胞を播種することで、細胞足場としての有用性について評価を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね予定通り研究は進展している。得られた研究の結果も今後の研究予定に影響がないと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度には、流動場条件を変化させることによる構造体の精密制御と、機能化による細胞足場材料およびアクチュエータとして利用できる材料の形成を目指す。
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