ナノ構造の生成によって磁性と強誘電性を併せ持つマルチフェロイック材料を人工的に作製することを目的としている。ダブルペロブスカイト構造を持つ強磁性体La2NiMnO6の薄膜結晶をSrTiO3(001)基板上に作製した。エピタキシャルストレインによって強誘電性が発現することを初めて見出した。続けて、層状ペロブスカイトの中に磁性体CoFe2O4が埋め込まれたナノコンポジット結晶を作製した。焦電性測定から自発分極を持った極性結晶であることがわかり、CoFe2O4に由来する磁性のヒステリシスも観測した。マグネトキャパシタンスを計測することにも成功し、マルチフェロイックな材料であることを実証した。
|